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返事の中までKUONです。
 これからも「雅子さま」。


生きざまって言葉、嫌いです。だからというか、あの方に捧げましょう。

おみごと。さすが、雑子ちゃん。・・でなく。雅子さん。今日、早い時間には出て来られなかった。さすがの生きざま、雅子さま。ブレないです。

夜には出て来ていた。

もういいですね。あの人はそうして、これからの「生きざま」を紡いで行かれる。

【皇太子時代の異様な行動㉓】プロトコルを無視する雅子

【皇室破壊の戦略⑬】国有財産のティアラまで売却

【廃太子・廃妃が国民の総意㉗】金の亡者・雅子の犯罪

【皇太子時代の異様な行動⑥】雅子が手玉に取った男たち

【皇太子時代の異様な行動㉔】ヤフオク犯罪の汚点

【皇室破壊の戦略⑩】皇后ではなかった美智子

【皇太子時代の異様な行動⑤】雅子は中卒レベルの英語力だった

田母神俊雄 (@toshio_tamogami)
靖国会の事務局長を長年務めてくれていた沼山光洋君が今朝4時頃に靖国神社前の道路上で割腹自決を遂げた。
彼は日本国民の愛国心が足りなくて天皇陛下の靖国御親拝の環境が整わないことは天皇陛下に申し訳ないといつも言っていた。
彼は命を懸けて国民に警鐘を鳴らしてくれた。立派な侍だった。


田母神俊雄 (@toshio_tamogami)
沼山光洋君は細かい気配りをする男だった。
今回の自決も靖国神社の敷地内ではなく敷地外の道路上であったのは彼が靖国神社に迷惑をかけないようにと考えた行動であったと思う。
彼の英霊に対する熱い思いを受け継いでいかなければいけない。沼山君のご冥福をお祈りしたい。


http://yasukunikai.com/
11日午前2時40分ごろ、東京都千代田区の靖国神社付近の路上で、前のめりに座った状態の男性の腹部に包丁が刺さっているのを巡回していた警視庁機動隊員が発見した。男性は病院に搬送されたが死亡。
男性の近くには遺書とみられる文書が残されており、麹町署は自殺を図ったとみて、詳しい状況を調べている。
同署によると、男性は都内に住む50代の会社員で、保守系団体「靖国会」に所属。死因は失血死とみられ、遺書とみられる文書は判別が困難だという。
https://www.sankei.com/smp/life/news/190511/lif1905110034-s1.html
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 *  分類 : どうってことのない話
自動通知機能 : -  *  伝言 : 7  *  記事編集  *  2019年04月30日(Tue) 19時50分
 明日は首を洗って


イメージ短歌

      身を散らし国を守りしひとびとの涙か元号の変わる日の雨        
                                   何茶手くおん の詠める


重い、苦い、眠りからの、重い苦い目覚め。

自分のベッドにいるのは判る。いつ着替えたかわからない服のままだとも、わかる。自分自身で不快なほど、臭いや。どす黒い夢の残渣や。ああそうだ、何より、あの男。初めは明るく軽快な異国人をよそおって、飲み物や食べ物を運んでいた、あの・・あの部屋は、いったい、どこだったのか。鎧戸の向こうに春の空が垣間見え、どこもここも白くて、清潔で、自由は与えられなかったが、封じ込められていた感はあったが、なんとか気楽な息をしていられたあの、部屋は、どうなったのか。

その前の記憶は、デパートの地下、食品街だった。わけのわからない変な日本語を喋る男が、自分たちを監禁して。自分に。雑子に対して、いいかげん好きな放題、言いたいことをいいまくり、批判し説教し、黙れと威嚇しても平チャラでいた、〇臣なども鼻先で転がされていた、バイコにだって説教した、自分で落とした物は拾えと。命令しておった、腹立たしかったアヤツは、あの後。どうなったのだったか。

いつも貸し切りにして買い物をする時の通路だったあの道から、車を回させて、帰るつもりだった。多くの誰だったかを待たせていたように思う、中華を食べに行く手はずで。その後は酒の場へ。そうだ、バイコの気に入りの「ノビタ」君の、両親も呼んでいたのだった、バイコには友達がいなくて。ノビタ君のことは気に入っていたのだ、運動会で一緒にダンスしていたし、腕を恋人つなぎにからませてキゲンのいい二人を、連れて、遊びに連れて行ったこともあった、いや、それは、バイコがもっと幼かった頃だ、ではいったい、あの日バイコが、遅刻をおそれて焦って、デパートのジャムの棚を、がんがらがっちゃ~ん、とやってしまったのは、では、では、いつのことだったのだ?。

どうやって帰ったのだ?帰ったのなら、なぜ、あの白い部屋にいたのだ? どの時間がどう、歪んでいるのだ? 雑子にはわからない。

いや。もしかして分かっている。薬のせいだ。そう思っている。いろんな種類の薬を、どうしようもなくなればそれをとにかく抑えるために、使い続けて。初めは懇切に聞いてくれた医者たちも、自分の処方以外の薬を、自力で取り寄せて使わないでいられない雑子と知ると、一歩、二歩と、後ずさった。責任をとりかねますと逃げ口上うまく離れて行った。その不安と腹立ちとで、さらに不眠がひどくなったり、眠れたと思えば覚醒できなくなったり。どうしてもマルの傍にいなくならないような時に、どこかの壇上で居眠りが出たり。いきなり周囲が真っ白に光り輝いて、アタマの芯がむずがゆくなって、笑い出さずにいられなくなったり、笑いが止まらなくなったり。

で、今はいったい、本当は、いつなのだろう。

いつからここで眠っていたのか、どの夢が雑子の、本当の夢なのか。

今日くらいは一度、シャワーを浴びて、顔を洗いたい気がする。歯も磨きたい。

歯。歯、か。あの異国の男は、ひどいことを言った。ものすごくひどい事を。

歯並びだけで、ワタシの国ではアナタを、高貴な女性とは見ませんですね。自分は、真っ白な作り物のような固そうなよく揃った歯並びを、ずらりと見せてあの男は言った、笑った。

いきなりの言葉に雑子は、ベッドの上でとっていた朝食の茹で卵を、いっこ丸ごと、飲み下してしまったのだった。

「のっぽんの人々は、呑気と言うかいいかげんと言うか、思っていても口に出さない、でも、あなたの歯並びはひどい、ワタシの国ならそう言われる」

なんだか急に居丈高になって鼻先で笑った、雑子は奥歯を食いしばった・・悔しくて・・でも奥歯は、抜けたままの数本もあって、なかなか充実してはいないのだ。オ母サマガ、歯ノ矯正ハ省の経費デ落トセナカッタカラト言ッテラシタ、ワタシノセイデハナイワ。五十歳をこえた雑子は、そう思って無言を通した。言い返してやりたくもあったのだが、白い肌と金色の髪とを前にすると、ジンカクが変わる。それは本当のことなのである。

雑子の無言で調子に乗ったのか、単にご飯を運んで来る係の筈の白人男は、そこから、ありとあらゆる雑言を、投げつけて来たのだった。

のっぽん国の民族衣装を着こなせない。ふつーの服を着てもだらしない。

日時の約束を守れない果たせない。「ドタデ」「ドタキャン」のヒトと呼ばれている。

母国語を普通に話せない。かといって、グロウバルな他国の言葉もつかえない。「オウ、シュワー」「ライク・ユー」程度しか話せない。しかし数か国語が堪能、と嘘こいて結婚した。ついでに言いますと、ハバド卒業は偽り。ラドkリフでした。東大卒も偽り。父親の引きで数か月滞在、出て来られたのみ。国費留学でオクスフォド留学、においては、一人だけ一単位も取得できずの帰国をなされた。バリバリの外交官であった時代は、ふふ、あったのでしたか?、NO、でしたね。

ムカシのオトコが数人、非業の死を遂げている。無事な男の一人は、何も知らぬ顔でテレビに出ている。

「ワタシの友人の一人は、そのY氏を見るたびに喜んで、わ~、ひでぇんかの昔のオトコが、マジメ顔で難しい話してるわ~、っと、拍手してるのでありますよ」


とかイロイロありますが、と。呆然としている雑子を、冷たい目で見下ろして金髪碧眼のヒゲ男は、ソファに掛けて足を組んだ。失礼ではありませんか。雑子は言ってみた。ふふん、と相手は笑うのみ。

「失礼とは思いませんね。アナタは、私の国の国王を歓迎する晩餐会に、イミテーションの宝冠を乗っけて現れたですね。一目でわかるペラペラの。堂々とレプリカとも呼べないレベルのティアラをかぶって現れた。ワタシの国では、アナタを、ロイヤルとは認めておりませんよ、いや、それ以前から」

わが国はダイヤモンドを多く産出する国、宝飾品を見る目は確かです。その国王の前にね。男は、煙草のごときものをくわえて、うまそうにぷは~、っと、ふかした。雑子もそれを欲しかった。欲しいが、言えない。タバコ一本下さいって、ここで、言えるだろうか。

「あなただけのせいではない、玩具みたいな宝冠を戴くあなたを、そのままにしてあった、周囲の方々もおかしい、あなたの夫君は当然おかしい、ご自分のウィッグの貧相さも限度を超えています。まともではないのですよ、あなたの夫、夫の両親、わたしども、知らない顔で接してはおりますけれどね、まともではない」。

「さしあげませんよ。わが国では合法ですが、のっぽん国では認められていないのです、これは。それに、あなたには、何もあげたくない」。

・・どういう意味だろうか。

「あなた、自分の子どもたち、皆、どこにどうしているか、ご存じないね」

男は、トランプのカードのように、何枚もの写真を両手に器用に拡げて見せた。

「これ、子どもの広場のバイコさん。細くて活発なお子ね。次は、お国の文字の得意で上手なバイコさん。こちらは、運動会でガッツポーズしているバイコさん、私の国ではこの方が、本物のプリンセスかと」。

雑子も忘れている、というか、アタマの中でのファイリングがうまく進んでいないままの何人もの女の子の写真を、馬鹿にし男が、ほれほれと、あおって見せる。

「このお子は、頭蓋骨の奥行きが目立って浅い、下顎が突き出ている、その上、人と愛想よく接することが出来て、結果的に、たいへん、品が無い。   こちらのお子は、なんでかな~、がりがりに痩せていますね、人相まったく違いますよ、しかしマル殿下、にったにたと顔見合わせて笑っていますね~」

「・・・」

「かと思えばたった一年で何もかもが変化してしまったぽっちゃりな子を、並ばせて、親子ですよ~の写真撮らせて」

次々に男は、言われて見れば一緒に駅頭で手を振ったり、映画の試写会の会場で久しぶりに会って、親子で~と横並びで・・あああ、なんでこんなこと、されているのだろう、私は。雑子の頭が、万力でキリキリと、〆上げられる。

「・・どうして私に、そんなもの見せて、嫌がらせをするの」

ようやく声を絞り出した。そんなことしないで。私が何をしたっていうの。

「人をだましましたね、あなたたち夫婦は。しかも子どもを使って」

「確かに一人はいた本当のお子さんを、どうしましたか。どう扱ったか。沢山のダミーは、何の為でしたか。ハキハキ返事をさせるため? たったと歩かせるため? スキーがうまいと想わせるため? つまり男系男子でつまり繋いでゆくことを定めとしているこの国の、たいせつな嗣子を押しのけて、すべてをワタクシする邪心、野望、心得違いの果てのため?どれもみな、間違っていますね。冒涜です」

神への冒涜。娘さんへの冒涜。信じさせられてきた国の方々への冒涜。恐ろしいと思いませんか、平気なこと、それ自体が人としての冒涜ですよ。

・・・この男もまた、私を、責めるのだ。雑子は堪らない。なんで、どうして、このような目に遭わされるのだ。私が何をしたというのだ。この男は何なのだ、何の権利があって私を責める。

「あなたの神なんか、私は知らない。あなたの神って、義母の信じる神なんでしょ。私のは違いますよ。私は神なんかどうでもいい、わからない、私は、神の名前で責められたりしたくないだけなのよ」

「おおう、何と。あなたは神官の。神道の長の家の長男の妻でしたね、たしか。それが、そう、仰せか」

「そんなこと意識しなかった、ただ、あの家に嫁げば、家族皆のためになると」

「拝金教の方々が、押し込んだ」

「神だの仏だの、信じようと思ったこと無いわ、でも義母の神さまって、神道でないの、それは知ってる」

「あなたの義母の神は、それも私には、全く異質のものと認識されます。違います」

白い肌の男は、きっぱりと言い切った。

違う。あなたの夫の母親には、神など存在していない。

「ミテコさまの神は、サタンです」

はああああ?。サタン。何なのよ、それ。

もう雑子には、理解できない。雑子は何もわかりたくない。ああだこうだと言われたくない、それだけなのだ。

「どうしてこんなに重いのよ」

「あなたに負いきれないものを、手放さないで来たから。無理だったのですよ、初めから。あなたはふさわしくなかったのです、それで、娘さんさえ不幸にした。不幸ですよ、あなたのお子さんは。とても不幸です。今どこで、どうしているか、ご存じないのでしょう」

「あの子も私を不幸にしたんじゃないの」

雑子は大声を出した。あの子が。バイコが、あの子でなかったら。こんなに苦しくはなかった。辛くはなかった。なのに。

「あなたは、ひでぇんか、あの娘さんを、一心に、またない存在として、愛されればそれだけで、よろしかったのですよ」

男も大声を出した。

「あなたに授かったお子さまを、愛して、抱きしめて、お育てになられればよかったのです、何をなさらなくてもそれだけでよかったのです、そうだったら、心ある人々は受け止めて、受け入れて、思いを同じくされたのでしょうに」

あなたたちち夫婦は逃げた。周囲も悪かった。それがのっぽん国のロイヤルであると、情けない惨めな話です。

申し遅れましたが、ワタクシはプリンス・ジュッテ。欧州のすべての王国と血統つながりのある、のっぽん国への言語留学生の一員です。

のっぽん国の、一つの区切りを迎えると言う儀式の、間近に迫ったこの時、はじめは、ほんの好奇心によって、この計画に参加しました。あいこく氏にお誘いをいただきましてね。

失礼なことも、あったかも知れません。ひでぇんかに対して。しかし。

ロイヤルの周辺の者共が、勝手にお宝を持ち出して競売にかける。動画も画像も検証も、詳細に出回ってなお、問題視されない。

ロイヤルの嗣子の娘が、何人も用意されて・・と、ワタクシは信じているのでありますが・・粗雑なレプリカのお嬢さんがたの動画や画像が出回ってなお、社会的な問題にならない。

こんなにも不出来な後継者夫婦のありようが、いたずらに擁護されて問題視ならず、即位にまで漕ぎつけるとい茶番。惨状。

よくぞこの数十年、この国は国家の態を保ち得たと。

感心致している次第ですよ。まことに。

ワタクシの母の出ました王国は既に無し。ほかあれこれと、

いや。明日がございます。明日、また。明日こそは、お顔も、そしてお首も、丁寧にお洗いあそばす日に、なられましょう、雑子ひでぇんか。


   このドタバタやっつけ話は、おそらく明日には終わりを遂げるでしょう。
        進展を遂げることも無いままに。     戯作者   KUON



 *  分類 : 雑子のはなし・終章へ向かって
自動通知機能 : -  *  伝言 : 4  *  記事編集  *  2019年04月29日(Mon) 22時27分
 落としたものは拾う でしょ


    イメージ短歌    「親王の机上に置かれし恫喝を 思うこの国の「きょうき」を思う」

                              「凶器  狂気  狂鬼」
 

10分。解りました。黒服オジサンはうなずいて、レジの所の、食べ物を入れた籠を置くスペースにベチャンとお尻を乗せているオバサン・・ひでぇんかを眺めました。脚をぶらんぶらんさせています。

ひでぇんか。ザツコさま。黒オジは呼びかけました。返事をしません。そこで黒オジはばしっと立って、何やら難しいことを、はきはき言って。

「以上、計3つのご提案です。のっぽん国は無理な押し付けをしてはならないとされている国でございます、今ここにある私も国家には同調する所存、ですので、お選びいただきたく思います。

これら3案、どうお選びになられますか。いかがなさいますか。と。斜めの目でオバサンを見ています。

ひでんぇかは鼻の下をこすったり耳の後ろをぽりぽりしたり、服の中に手を突っ込んでお腹のあたりを掻いたりしながら、フン、ツン、としています。あ、あのう。こうたいしろが、ちょこちょこと小走りにひでぇんかの傍へ寄りました。

「とりあえずここを出してもらいませんか。とにかく何でもいいから、この人に答えたらどうでしょうか。あいこく氏は妥協されない方のようですし、これ以上ここで、時間が、伸びたら」

アイコ・・・ノビタ・・・娘さんがとつぜん反応して、ハッと口を開けて、目もぱっと開いてお父さんを見て

「ちこくだめ。ぱぱ。行く」

しかし、こうたいしろがすぐに答えず、奥さん・・・オバサンに必死に何やら訴え続けているので、娘は怒りました。怒ったのでしょう。

いきなり足踏みをして、ぎいいいっと奥歯を噛みしめる音がして、右手を振り上げると。

ちょうどその位置にあった、パスタやマカロニやスパイスの小瓶などの棚に、思いきり手をぶち当てました。棚の中身を力任せに押しました。

凄まじい音がしてざらざらと落ちるパスタ類、転がるアンチョビの瓶ピクルスの瓶、パセリセージアンドメリーアタイムとかの小瓶たち。缶入りのソースたち。ひでぇんかは、音は聞こえたのかチラリと見て、あ~あ、と大きな欠伸をしています。

最後のレトルト袋が乾いた音を立ててパス、と落ちて、

静寂。

あ、と、今は表情を失って立ち尽くす娘さん。両手がもじもじして、心細い姿です。呆然としながらも微笑していたこうたいしろ・・お父さんが、今度は娘のところへ走り寄り、だだだ、と。大丈夫だよ、と、慰めます。

「い、いや大丈夫。怪我は無いね、はいはい。

可哀そうに、バイコはこわい思いをしてしまったんだね、ひどいことをする乱暴な人がいるからね、ええっと、今は誰も何もしていないのか?? ん??  と、ともかく、ろバイコを守れるように対処をしてあげますからね、気にいらない人はどこかへ行けばいいんです、以前もイジワル男子を追放してあげたでしょう? そういう力がバイコのパパにはあるのよ、だからもうコワクない気にしなくていいんだよ」

いえ。気にして頂きましょう。

「ばいしんのう殿下。商品をお拾いなさいませ」。

黒オジの声です。どっしりした重い声。

「ご自分が、怒りを抑えることかなわずして、手を振り上げてなさったことです。落とされた物をお拾い下さい。不可能ならば、元のように並べろとまでは望みません。拾い上げて下さい。毎朝店員が、ホコリを拭ったり位置を揃えたり、このデパートには大切な商品です。落としたものは拾われるが筋」

何をごちゃごちゃ言ってるのよ。ついにオバサンが大声を張り上げました。

「こんなところへ私たちを閉じ込めて、訳の分からないこと言って、因縁つけて私を貶めて悪口言って、バイコにまで恥をかかせるつもり。この子には屈んでモノを拾わせたことなどありません」

「それがそもそもお考え違いです、ひでぇんか。ばいしんのうさまは、いずれ、野におりてご家庭を築かれる御身。自らが落としたモノを拾うなどは、ご身分お立場に関わらず、人として当然のこと、それが困難であられるなどは、親なき後のご本人の御苦労のタネにてございましょう」

「何のために使用人がいるのよ、馬鹿言わないで。この子が落としたものを拾うくらいの仕事をしないで、どうやって厚かましい、あれらがお給料なんかもらえるのよ」

「お住まいにお仕えする者は、そういったことのためにいるものではございません」

「まああた、変な理屈を。早く出しなさい、ここから」

「付け加えて申さば」

「うるさいわねえ、ばか」

「大きなお節介を申します。ひでぇんかがそのお考えでは、働く者もまともには働きません。そのひずみが後には、国家の存亡に」

「黙りなさい」

「ひでぇんかのお住まいにて仕事をする者は、ご滞在の折りのひでぇんかのご両親の、私用を承る立場でもございませんよ」

静かにば黒オジが言って、ふふ、と笑うと、ひでぇんかは、怒りで真っ赤になってこちらへ寄って来て。

ジャムの置かれた棚からまっすぐに、全身、黒みがかったぐれんのほのおに包まれた姿が見えたので、ジャムは・・・恐ろしさに、しっしんしそうになってしまいました。

・・・じじつ、一瞬、気を失っていたのかも知れません。

ふと気づくと、目の前のオバサン・・・ひでぇんかのアタマには、さっき生えていた角も無いし、口だって、頬っぺたのところまで、ウィイイイン、と裂けている、なんてことはなかったので。何を見たのでしょう、ジャムは。

あなたはっ。ひでぇんかは、自分と同じくらいの背丈の黒オジの、胸倉を、ものすごい迫力でぐいと掴みました。

おおっ。

ジャムの背後から嘆声が漏れました。しかし黒オジが、少し、クイっと体を捩じると、ひでぇんかの手はあっさりと体を離れてしまったのです。おおお。また、嘆声が響きます。

ばいしんのう様、お拾いなさいませ。優しい声です。

「お出来になりますよ。そうです、この籠に、そうっと、拾って、お入れなさいませ。一つずつね。そうです、ゆっくりでよろしいのです。お出来になります、お拾いなさいませ」

娘さんは、いくらかギクシャクながら、座って、買い物用の大きな籠に、落としたマカロニやオリーブの瓶など、入れ始めています。

「思い出しましたよ、そうでした」

こーたいしろが言いかけました。黒オジは、ついと屈んで、床に広がっている娘さんのスカートの裾をつまんで、丸出しになっている二つの膝を、隠してあげました。

時間です。

どこかから声がしました。

解った。黒オジは短く応えて、こうたいしろのほうに顔を向けます。へらっと、こうたいしろは笑いました。

「そう言えば子どものころ、私も、教えを受けました。父や母のおりません時にも、おります時にも、私に、なにやかや教えてくれた者がおりました。ずっと一緒だった気も・・・名前は・・・ええと、忘れてしまって・・・」

「ほーちゃん、と、お呼びであられたとか」

「ああ、そうだ、そうでした、ほーちゃん。どうしてご存知ですか、ほーちゃんでした、厳しい人で、よく叱られましたし、時には褒めてもくれ・・・もちろん後片付けもさせられました。我慢が大切と、お預けも仕込まれたんじゃないかなあ・・・常に相手の立場に立ってお考えになられませ、とか・・・それって、どういう意味だったのか・・・思い出せませんが・・・聞いた覚えがある感じがある気がしないでもなく・・・そうでした、時には手を、ぴしゃんと叩かれたことも・・・」

何を懐かしがってるのよ。パシ、と乾いた音が響き、ジャムは思わず目をつむります。

すぐに目を開けると、こうたいしろの顔の前に腕を突き出して守っているみたいなかっこうのオジサンが、口をぱくぱくさせて呆然と気をつけ、しているこうたいしろに、飲み物を持ってくるよう、目配せしているところ。空手遣いだな、あの黒服。そんな声がして、そうなのね、と、ジャムは納得します。

こうたいしろは、鼻のへんを、殴られそうだったのかしら。鼻、大きいのは、いつも叩かれているから?。

飲み物を取りに行くのか、黒服の一人が動きました。私はコーラよ。ひでぇんかが叫びました。

「ロング缶よ」

・・・

「飲み物も出さずに椅子も用意できないなんてふざけたこと言って、私にひでぇんかを止めろだのどこかでひっそり暮らせだの言って。とんでもないわ、国民の模範になれとか、もはんって何のことよ、ってのよ。」

プルトップをがしっと引いて、ぐああ、とひでぇんかは、缶のコーラを仰ぎ飲みしました。脚を踏ん張り左手は腰っ。

「国民こくみんって。私に何の関係があるのよ。みんな勝手に外国へも行ってるじゃないの。好き放題してるのはあっちでしょ、それなのに国民の面倒見ろなんて、結婚する前、誰に言われたことも無いってのよ」

ひでぇんかはぶつぶつ呟いています。

こうたいしろは手に持ったお茶の缶を両手で包んで立っているのみ。

こっそりと、見えないあたりは黒服も手を貸して、落下した商品のすべては集められています。

固そうな体の黒オジが、頑張られましたねと褒めて、ジャムは、褒められて嬉しいかと思ったのですが娘さんは、知らない振りで、父親の腕時計を見ては脇をこずいたりしています。ちこくだめ。ちこくだめ。早く行きたいみんな待ってる。ワタシみんなのオサイフなんだから。オバサンは娘さんを、何言ってるのよと見下ろして、

「もう、出るわよ」

「よろしゅうございますか」

「出たいのだから、出るのがよろしゅう、に決まってるじゃないの」

「さらに一度お尋ねします、ご退ヒはなさいませんか、今すぐにでなくとも、今年いっぱい、何かのキリの折りに、ご発表なさいませんか」

「なさいませんよそんなの。どーして、ご退ヒするのよ、私が。夫はしても私はしないわよ」

「殿下がご決断なされば、ひでぇんかも同時に、当然」

「決断なんかしないわよ、あれは。決断したことなんか無いの。結婚だって、いろいろ、教えてもらってそうなったのよ。でなきゃ、この私とできたはずはないわ」

「国民の、少なくともかなりの数の者たちは、その「いろいろ」を憂いておりますがね」

「バカじゃないの」

「・・・差し上げたご提案には、もう一つございましたね。・・・もう、コーラはお飲み干しになられましたか」」

「あなたと一緒にここでこのまま、とか、馬鹿なことを言ったわね、それだけは御免よ。はい、空き缶。ここでどうにかされなきゃならない理由が無いわ。しかも、あんたなんかと一緒に」

「ご一家揃って、の選択肢もございます。私はその覚悟も定めておりました。」

「それなら尚更御免だわ」

ひでぇんかが、空き缶を黒オジの手に投げてバッグを開け、口紅を、ぐいいっと引き直します。娘さんに、行くわよ、と声をかけます。娘はうつむいて、カチンコチンに固まります。この二人は、親子ではないのでしょうか。

「のっぽん国へのお思いを、一つだけお聞かせ願えれば」

「のっぽん国?」

「いずれあなた様が」

「関係ないわ」

「。。。」

「な~んにも関係ない、私は知らない。夫が何とかするのでしょう、他に考えたがってる人間が大勢いるわ、私は関係ない、何も知らない、しない、したいことしかしませんよ。

初めからの約束よ。

「出ます。そこ退きなさい。あなたたちがしたことは、父にすべて報告します、私たちを監禁したり脅かしたりバイコを虐待したり、ぜんぶ、言ってやるわ。覚えてなさい。私は」

「しかいし、なさいますか」

黒服が笑い、ひでぇんかはまた、3秒くらい、角が生えました。ねえお父さん。こうたいしろを振り向きました。

「この人、一緒にとか覚悟とか言ってるけど、どういう意味かわかる? こんなとこに一緒にいるの、イヤよね?」

「そうですね、イヤです、はい」


準備完了です。どこかから声がしました。

お選びなさいませ、と、ひでんぇかの前に、黒オジが指さして、二通りの道を示しました。

最後にもう一度、選択の余地を差し上げましょう。黒オジが言いました。

「わたしは、こわい人に見えるでしょうが、本当はいい人なのですよ」

わは、と、こうたいしろが笑いました。面白いギャグですねえ。ひでぇんかはこうたいしろの背中をつねりました。

・このそれぞれの先に、同志が、10人くらいずつ待機しています。

・デパートの外の交通規制は、すでにとっくに解除されています。本来されなければならない規制ではございませんでした。無駄でしたねこれ。

・地下以外の店内への客の入場は、すでにとっくに行われております。最低限の一般国民への迷惑は回避されたということですね。

・当初手配されていた警備陣は一部を除き解放となっております。

・地下への出入りは、本日緊急のメンテナンスにより、午後以降にしか、していただけません。と、なっておりました。

そんなことを、黒オジが告げて、一つはお馴染み、ご存じの裏出口。デパート貸し切りショッピングの折りの道です。ほぼ人に知られずここから出て、待機の車に乗り込んで、お住まいに御戻りになることができます。と説明します。ふむふむとこうたいしろは頷き、また、背中をつねられています。

いま一つの道には、会見場が設けられております。私が同道するか否かはお選びいただけます。私どもに賛同の意を表しつつも、ジャーナリストの王道、あくまで客観的な事実報道を心して行う旨の記者、カメラ、余の者たちが待機しております。そこで早速、監禁されていた、等のことを生々しくお述べにならるるもよろしいかと。いかなこともお話下さいませ。

「会見なんかしないわ。会見なんかしたくない。人前に出るのはイヤって言ってるでしょ。裏の道から帰ります。お父さん、そうするでしょ」

お父さん、と呼ばれたこうたいしろ殿下は、あ、ええ、そうですね、と妻を仰ぎ、

「裏からこのまま、と、致すことに致しましょうか」

なんだかエラそうな感じで言いました。

「では、本日の模様を、うっかり映し続けてしまいましたデパートの防犯カメラを、解析したり公開したりすることを、ご了承いただけますね」

「は?」

黒オジが、にっこりと笑いました。

「私と、私の本日決行に同意、協力、実行の途に就いたここにおります者どもは、己のすべてを賭す心を以て在しております。手荒いことは控えましたと申せ、のっぽん国のこうたいしろどうひりょうでんか、及び、ばいしんのうでんかを、一定時間、囲い込んだは事実。これはおそらく罪。犯したはれっきとした犯罪行為。でありますれば、その一部始終を撮影しておりました、デパート常備の隠しカメラの内容も、犯罪の重要なる証拠となるは当然の理」

「言葉が難しくてわからないわ、イライラする。喫煙所へ先に行きたいわ、お父さん」

「え? あ。う~ん、まあ、はい。あのう、妻を喫煙所へ・・・」

「あ、そうでございますか、本日は、報告によりますと、有志の者の手によって、そのあたりまでも、カメラが備えてございまして動いておりますが、およろしければ」

「失礼な」

ひでぇんかは切れています。こうたいしろは、背中の一部をどうかされたのか、目の焦点が一気にぼやけて、ぼおおとしています。

あの、あの。

こうたいしろが口を開いて問いかけました。

一つだけ、お尋ねをせねば。一生懸命な顔をしています。

「あ、その、このお仕事は、大変ですか?」

聞かれて黒服オジサンは、真面目に笑いました。答えました。

「いいえ殿下。恐縮にございます。仰るほどには大変ではございませんよ。と、お答え申し上げましょう」

と。その時。

そうです。

そうです、娘さんが、ジャムに、手を、伸ばして、お土産、ランチ、ちこくだめ、これ取る、よいしょ、瓶すべる、あっ。



残すところ、四月は、残すところ、あと二日。

 *  分類 : 雑子のはなし・終章へ向かって
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 実はロマンを愛好する、黒オジ氏。
  
 イメージ短歌
       「ワタクシの専属医師団の言うごとく したいことだけさせておいてよ」

    今はその「独り医師団」とも遠くなってるのよね。と、突っ込みたかった何茶手くおん の あてこすりの一首



「捕まるわよ、あなた」

雑子は言ってやったのだ。人差し指をまっすぐに、鬱陶しい感じの悪い男に向かって突き出して。あの頃のように。名刺を出せとは、独身だったあの時のようには言わなかったけれど。

「エラそうに説教して通ると思ってるの、わたしを誰だと、何だと思ってるの、はぁあ」
思いっきり顔をしかめてやる。

・・・「捕まるのが恐ろしくて、ひでぇんか、あなた様のごとき訳知らずのお方に話をしようとは、もとより考えておりません」。
黒服のオジサンは、少し笑いながら、おばさんを見つめました。こうたいしろより年上のようですが、声は低くて、多分イケメンではない・・と見えるけど、かっこいいオジサンです。

おばさんは、フンと鼻を天井に突き上げて、ペンギンみたいに立っているこうたいしろに、バカみたい、と憎らしそうに言って、手に持ったままだった大きなチーズの塊を、ドスンと、入っていた木箱に投げ落としました。

あ。チーズの悲しそうな声が聞こえた・・・ジャムの耳には確かに届いた悲鳴でした。

「閣下、時間が足りなくなります」

もっと低い声がし、黒服おじさんは、ん、と短く応えました。おばさんにまっすぐ向きました。さいこーに短く申し上げましょう。笑いました。

「太陽は、あなた様の上にだけ現れて、あなた様のみを照らすものにてはございません」

おばさんは、もう一度ふん、と鼻の先っぽを上に突き上げています。

「誰の上にも陽は照っているのでございます」

「早くここから出して。私だけでもいいわ、とりあえず。それか、電話かしなさい」

「報道の人間も政を行う者も、このデパートの株を所有する者も。社員も派遣の社員も、顧客も司法の関係者にも。あなた様の惨状を見難く感じる者がおります。国のため、憂うる者もおります。日ごろは微細な力であって、のっぽんはこれからどうなって行くかと、心痛めつつも、如何にするもままならぬと、強き諦念に身を委ねております者が、日を追うごとに、ひでぇんか」

「うるさいわアタマ痛いわ」

「増えまさっております、実際におります。そして、この美しいのっぽん国の今後のために、微力ながら叶うならばなんらかの力を、と、望む者が、数多くいるのでございます」

「何言ってるか解らないわ。むずかしいこと嫌い、うるさいの大嫌い、のど渇いた、お腹も空いて来た、脚が棒になって来たわ、私をこんな目に遭わせて、どうなるか覚えていなさい」

「国民は苦しんでおります、ひでぇんかの慎みの無い態度、なすべきをなさず勝手気ままなご行動怠惰に過ぐるおんありさま、血税を貪るにお身内までも交えての傍若無人、お子さまを甘やかし遊ばすのみにて、公人にふさわしい」

「バイコのことは誰にもとやかく言わせません」

ひでぇんかが怒鳴りました。バイコさんはぴくっと震えて、体中が固くなったみたいに、ぱぱから離れようとして斜めになったまま動かなくなっています。

「バイコのことは何も言わせません、言うな、ワタクシに聞かせるな」

「ではお嬢さまのことは」

「他のことも、何も、言わないで」

「しかし本日は聞いていただくために」

「聞かないっ 何も言われたくないっ、ちょっとマル、何とかしなさいよ、この男、何とかして。アタマおかしくなりそうだわ、クスリも持ってきていないのに、どうしてくれるのよ」

こうたいしろの名は「マル」なのですね、ジャムはすでに学習しています、わかりました、マルさんは体を前後に揺らしながら

「はははははい、何とか、ですね、心得ました、何とかしましょう、しかし、が、どうすれば何とかなりますかね、ええと」

困りながらこうたいしろは、ブワンっと飛んで来たひでぇんかのバッグから、ひゅいと身を屈めて直撃を避けました。

すごい技だ。慣れてるな。ひそひそ声がジャムの耳に伝わって来ます。実にすごい反射技でした。

「早くここを出しなさい、言うことはそれだけ、お腹が空くとワタクシはね、何も考えられなくなるの、子どもの頃・・・若い頃・・・」

ひでぇんかは、何かを思い出したようです。

「・・・時間に食べさせてさえくれれば、お母さまが人に言い触らすくらい、いつもたっぷりの手料理を作って時間に間に会うように並べてくれれば、トモダチできなくても平気だった、オトコのことばっかり考えるようなことも無かったのよアタクシ・・」

「個人的な不幸の追憶でございますね」

とても落ち着いたとても静かな声で、おじさんが言いました。

「あなた様のご身分に、そこまでの拘りはふさわしくないのでは」

「うるさい」

ひでぇんかは叫んで、左右の手の人差し指を、がばっと、ご自分の耳にお突っ込みになられたのでした。ぎゅぎゅっと力を込めて。

「うるさい黙れわたしを責めるなうるさい黙れわたしを責めるなうるさい黙れわたしを責めるな」

目を据えてぶつぶつと始めました。

「やはり、ひでぇんか、お考えいただきませんか」

「・・・考えると、頭の中をぶんぶんハチが飛ぶの」

「そのまま、静かにご自身と向き合われることなさらず、お考えなさらずでこの先も参られますか」

「私にどうしろって言うのよ、わからないことばっかり言って、お可哀想なザツコさまって、あなたは思わないのね、トカゲ男ね」

「卑しくもひでぇんか、のっぽん国のひでぇんかならば、おん自らのお考えをいただきたく存じます」

誰にも一つずつ備わっているおつむは、お帽子の台にてはございませんのですよ。黒オジさんが言うと、いきなりバイコさんが

「おぼうし。お皿。おぼうし、お皿、ばばあ」

少し笑いながら声を出しました。八重歯というらしい名の歯が、両方の口の端っこに見えました。

こうたいしろが、嬉しそうにそばに寄って、バイコさんのあたまを撫でました。

お皿。バイコさんがぱぱを見上げ、ぱぱさんは、バイコさんに合わせるように、おぼうし、おさら、おばあさま、と繰り返すのでした。

「ちがう、ぱぱ」

「何がちがうのかな?」

「おぼうしお皿ばばあ」

「ん? お帽子お皿ばあば?」

「ばあばちがうぱぱ」

「ばあばじゃないの? バイコちゃん」

「ばあばちがう、ばばあ」

言いながらバイコさんは、さっと、お父さま・・マル? の頭の上を、ざっと右手で払って。・・・・・・・・・・・・・この瞬間の状況と、マルさまの動揺した様子は、なぜか省略。


{はあああああ?}

黒オジに、何やら耳打ちされていたひでぇんかが、ふぎゃあああ、と叫んでそして、


「じゃあ父をどうやって、救ってやるの」と。もの凄まじい剣幕でお震えになられたのでした。

父を、父が、父に、父の、と、あわあわ、父が大変、父だって被害者、と。ジャムにはさっぱりわかりません。

ひでぇんかは、その父というものが、いちばん好きなのでしょうか。

「がんじがらめなのよ、父だって」

「ご実家のお父上に関しては、あくまでひでぇんかのお案じなさるべきことにはございません」

「気になるじゃん、父だもの、親孝行が人間の基本と、ワタクシ、かつて灯台にておそわりましてよ」

「苦笑」

黒オジさんの顔に、本当に、「苦笑」の文字が浮かんだのです。ジャムにもなんだか、それは、理解できた・・

ぴっと黒オジの顔が引き締まって、

「お立場よりお考えいただきますれば、カワッタ氏は市井の一人物にすぎません、ひでぇんか、そうであるべきなのでございますよ」

「冷たい切り捨て方ね」

「常識の範囲のこと」

「わたしのために必死で来たのよ、わたしの父は」

「お国のために、ひでぇんかはあるべきお方、それは通りません」

「父どう思うのそっちは」

「最低。と、申し上げましょう」

「最低はあんた

「虚虚の栄華はお身の続く限りのこと、一夕の夢、砂上の楼閣、諸行無常にして、桜散らしの春の風、失礼、わたくし実はロマンを愛好する身にて」

「ロマンがあいこくなの、へえ、ちっともわからない、どーゆー意味よ、さっぱりわかんない、お腹すいたのど乾いた、カップめんでも運ばせなさいよ、子分いるんでしょ」

「同志はおりますが子分はおりません」

「おんなじじゃん」

「お立場を退かれて、なんぼでもお好きになされませ」

「今の方が楽だもん退かない」

長引きそうだな。誰かの囁きが響き、黒オジさんはそちらの方にびりっと目を向けました。

すごい目だ、と、ジャムは、きっと、これがビビると言う・・が、ひでぇんかは平気。

間を置いて、やがて

「俗に申すに、まともに生きる天が下、なれば、お天道様とごはんは、付いて回ると」

「説教は嫌いなのよ私。本当は、いろんなこと何も解らないの、何聞いてもわからない、ただ、考えさせないで欲しいのよ」

・・・困りましたねえ。

黒オジは、本当に困っているみたいに、う~んとうなってぐるぐる首を回しました。

ひでぇんかは、脚が疲れたのか、片方ずつぶんぶん振り回し始めました。靴が一つ、飛んで、外国製のクッキーの、積み重なった袋たちの上に着地しました。

ひでぇんかは、けんけんして取りに行って、すぐに片足床についてしまい、靴を取って、床を歩いたままの足に、ひでぇんか様は、すぱん、と履いたのでした。

こうたいしろは、すこし立ち尽くしていましたが、何か気づいたように、周囲を取り囲んでいるSP??誰? 何? たちに、笑顔を振りまき始めています。

「わたしは平和を愛しております、誰と争ったことも無いです、負けるとイヤなものですね、帽子を取られたり、ええ、平和がいいです酒も飲めますからね、コツレンの総裁にもなっておりますしね、殴られるくらいなら、土下座ってもんをしてみても、ちっともかまわないではないかと常々考えておりますよ、ええ」

父の御代は、せんそうの無い時代でした。称揚すべきことだと、母が申しておりました。いつでも何でも母は、うまいこと申します、父の脳内、イコール、母の脳。これもまこと立派な。へらへらと嬉しそうにしゃべっているこうたいしろの、前髪の形が、なんだかとても不思議な感じになっていて。

ねえ。ちこくだめ。ぱぱ。気になるのか娘は、突っ立ったまま一層つよく、目が据わって来ているようです。

あと、10分無いぞ。

背後で声がします。


本日は冗長に過ぎた感が致します。

四月いっぱいで、なんとか着地できるのでしょうか。まあ、なんとか。次回は、雑子さんの身の回りに世話をしている、あのラテンな男性に、明るく放言してもらうことといたしましょうか。

・・・妃殿下の服薬量は、限度を超えているのではないかと思われます。笑っておられますが、お顔は大層に浮腫んでおられます。

ええ、これは、日本の国の、皇太子の妃を見ての感想です。

明日もブログを書く時間は、無いのでは、と思われます。少し残念ですが。


 *  分類 : 雑子のはなし・終章へ向かって
自動通知機能 : -  *  伝言 : 3  *  記事編集  *  2019年04月26日(Fri) 19時49分
 今夜はお休み。です。




え~。
今夜はブログをお休みさせていただきます。
昨日「続く」と書いたのに。ストーリー今日は続きません。ごめんなさい。

明日にはまた、やっほー、と、戻って参りますでしょう。

お休みなさいませ。

 *  分類 : 日常
自動通知機能 : -  *  伝言 : 0  *  記事編集  *  2019年04月25日(Thu) 20時41分
 雑子・感傷とイラダチのハザマで


イメージ短歌

    ここはどこワタシはだあれウフフのフ私は天下の雑子ヒだわよ

                 ひでぇんかの御尊顔に興を得て  何茶手くおん の詠める

・・・・・・・

       のっぽん国営放送・午後2時のニュース   ピンポンパンパコ~ン 

「天下国家にも国民の幸せにもうっすらとも無関係のニュースを申し上げます。

こーたいしろひザツコさまは本日午前、恒例の、ないしんのうバイコさまの社会見学、庶民生活たんほう、デパ地下ご視察のお付添いの途次に体調の波にお見舞われになられました。国民及び開店を予定以上に遅れさせられていたデパート客への影響を懸念され、密かに現場をご退出、現在は療養状態に入っておられます。

食欲その他血圧等にはお変わりなく、愚内庁も、国民の皆様に置かれましては、過大なご心配またお悲しみに心閉ざされること無く、納税に懸念の及ばぬよう、日々の労働の継続にお励みなさいますよう、声明を発表しています。」

3時にも同じニュースが流され、夕方もう一度流されて、今回のザツコひでぇんかの「突発性爆笑性継続性過呼吸症候群」に関する話題は沙汰やみになった。

何日が経過したのだろう。


ザツコはいま、見たことも無い建物の、2階とおぼしい広い洋風の部屋にいる。

2階であるとわかるのは、遮光を意図してか鎧戸のほぼ閉ざされた大きな窓の、細い隙間から見える景色が、それらしいからだ。

背の高い、きらきらと陽光に照らされて葉裏の光る葉っぱの生い茂った樹が、立っている。2本か、見える限りでは3本、立っている。

その向こうは空だ。春の生まれ初めの、淡い水色の空だ。

景色にも空の色にも興味は無い。世界が美しいなんて感じを抱いたことは無い。けれど、こういう空の色を、じっと眺めていた記憶がある。

あれは、どこの、そしていつのことだったのだろう。育って来る間、数年ごとに住処が変わった。父親は転任の多い人だった。母も必ず付いて、姉妹を連れて、幾つもの国を巡った。祖父母はのっぽん国にいたが、子どもたちが学齢を迎えてもザツコの両親は、娘の教育のために親に子を託して、落ち着いた学校生活を与えようとはしなかった。

皆まとまって移動した、一緒だからと言って、家庭内でもまとまって一緒だったというのでもない。

家事手伝いをする人間が、いる時もいない時もあった。食も衣も、その時々、適当なやり方で始末がつけられて行った。

適当に食べ、適当なものを着せられていた。母はまれに、薄物のワンピースなどを手作りすることもあったが、後に見る、写真の中に残されているそれらは、どれもこれも見事に丈の短い・・・胸のすぐ下のあたりにウエストの切り替えのあるような・・・幼い女の子の白いぱんつが、まるごと見えてしまうような、そんなものばかり。母はズボンの前後ろを逆にはいているなど、誰かに思い切った疑念を向けられても気にしない、そのままで何の痛痒も感じない、おおらかな(自己判断に拠る言葉)人間である。

なぜ、娘たちのワンピースの丈がいつもどれも短かったのか。何年も同じパターンを使っていたから。以上の他に理由は無し。

母国から持って行っていたワフク。写真を撮るとてそれを雑子に着せる際に、それ用の下着も・・肌襦袢も・・長襦袢も無しで。いきなり襟元ぎゅうぎゅうに着せつけて、撮った写真を、婚約の前後にマスゴミに披露して。雑子はずいぶん、ヒソヒソ口を叩かれたらしい。母は平気だった。一枚の浴衣を何年も着せて、最後の年には腕も脚ももろ出しになった写真もあった。母は平気だった。雑子は…平気だったか恥ずかしかったか、もう、忘れた。人は、妬んで羨んで口いっぱいなことを言うものだと。そんな感慨を、知らず身に着けたのかも知れない。

ええと。感慨って何だった?。

・・・そんな、日々の中の、いつか、どこかで、今日の、こんな水色の空を、眺めていたことが、あったのだったか。

雑子にだって、空を眺める少女時代はあったのだ。

金色の髪、水色の虹彩を持つおとこのこ、ミーシャの、目、のような、空だと。感じたことが、あったような、ううむ。男の子は好きだった。でも誰だってそうでしょ、と、思っていた。ピロシキも好きだった。

ドアがノックされる。こんこん、ではない。こんこんここん。。おかしなリズムで、それが毎度、几帳面にノックされる。誰だか何の用だか、応えてやる気になれない。

「ひでぇんかさま、めがさめたか、そうか」

大きな盆を捧げた、なんと言うか、イタリアンの店の調理人のような身なりの男が、鼻の下の髭を横向きににま~っと引き延ばしながら入って来た。笑顔なのだ、それは。

「ひでぇんかさま、お茶をのむよな」

笑い方もモノの言い方にもイライラするが、何か飲みたいから黙っている。手を出すと、冷たく冷やされて汗をかいているグラスを手渡された。

「麦茶だ、ひでんかさま。暑いときにはのっぽん人、これを飲むんだな」

麦茶だって。暑い時は、だって。今はこの国は、まだ、冬だ。春になっているそうなのだが、事実は冬だ。

「お腹空いてるよな~、ひでんかさま」

「・・・」

「いま、お米をにスイハンしているんだからな~。もうすぐ、ご飯は炊かれるだろう」

「あそう」

おとなしく応じてベッドに横たわって男に背を向けたのは、どうやら、この男にしか、現在の自分は会うことができないらしいと、うすうす、わかっている気がするから。

ただただ白いベッドに、シャワールーム。サニタリー部分は別にあって、何も置かれていなくて広い大きな、楕円形の卓。

あるものはそれだけ。携帯電話もパソコンも無い。のっぽんの雑誌が何冊か、これはおそらく、最新号ばかりだろう。自分はそして、置かれてあった新品だったジャージを着て・・色はベビーピンク、気恥ずかしいくらい柔らかい、綺麗な色のジャージ。そういえば娘にも・・・娘のバイコにも、こんな優しい色のベビードレスを選んで、着せてやったことがある。

初めて母親になったころ。ザツコは幸せだった。精いっぱい幸せだったと思う。

あの子は柔らかい子だった。体のどこもが柔らかくて、抱きにくい子だった。脚の関節に何やらモンダイがあって・・・それは雑子にはショックなことだった。どうして自分の子が。と。穏やかな声でそれを告げた医者に、腹が立った。何を言うのだろう、この私に、と。柔らかい上に足を開いていなければならない赤ん坊の、抱き方のレクチュアを受けた。熱心に話を聞いて、養育係の一人が、バイコを抱くベテランになった。

抱きにくい体を、器用にくにゃっと抱いて、目を合わせて笑い合って、バイコの喃語に合わせて、あーだのぶー、だの。いつまでも、楽しそうに、睦んでいた養育係。ザツコの娘を可愛がり、ザツコの娘を愛し、ザツコの娘に愛されなつかれ、後を追って泣かれ、胸の中で、安心して眠らせていた、養育係。

あの頃。バイコが赤ん坊だった頃。膨大な量の写真を撮られた。夫のマルは、なかなか上手にバイコを抱いた。脚の具合がどうだとか、気にしていないようだった。可愛い可愛いと、マルは、バイコに向き合っていた。アナタハイイワヨ。雑子の胸は波立っていたのに。

生まれつきのその立場。揺らぎようの無い立場。なかなか結婚できないでいたその男は、?????いくつかの疑問を、もしかして抱えながら、しかし多分「一生お守りしますよ~」なんてことも、もしかして自分が口走ったのかも知れないと呑み込んで。

雑子にドウキンを拒まれ、昼夜逆転の生活を、内心はどうあれ受け止めて対外的にはにこやかな顔を保ち、雑子に荒い言葉も吐かず、自分はツマに殴られ蹴られても、ツマに対してそういったことの行わない夫であった。

のどを、つる~んと、何の抵抗も無く滑り落ちて行くゼリーみたいな男なのだ。

コカンセツに問題があると医者に指摘されても、あ、そうですか、と、にこやかに受け入れ。不安で何やかにや言い募る雑子に、用があるからいったん失礼します、アトヨロ、と、真剣にとり合ってはくれなかった。

後で見たどんな写真も。すさまじい量のバイコの写真、マルに抱かれている写真、雑子に抱かれている写真。その、おおかたで、バイコは、目の前の親を、見上げてはいない。見てはいない。常に、と言っていい、バイコは、父親でも母親でもない、そばについて来ていて、カメラの届かないところで、バイコに手を振ったり笑いかけたりしている養育係の姿を、追って、見つめていた。

バイコは雑子を見ていなかった。いつだって。いつだって。マルにはわからない、周囲に自分のために存在している人間のいるのが当たり前の環境で育っているマルには、わからない。

マルだってつまりは、あの母親の「慈しみに満ちたお母さま」の表情を、引き立てる役で撮られ続けていた人間なのだし。


・・・最後の日、バイコは、懸命に両手を伸ばして養育係を求めて泣いた。あの女も、バイコの泣き声に身を裂かれるように顔を歪めていた、涙をこぼした、ザツコは、愁嘆場はまっぴらだと思った。イライラした。

さようならと、今日かぎりで職を解かれる養育係の、その部屋からの退出を促した。

あの養育係は、後日、要らないことに、どこかからの質問に答えて、「胸がつぶれそうでございました」などと言っていた。そんなことの書かれた週刊誌の紙面を、雑子は、思い切り破り捨てたかった。後で、そうした。

バイコは、ベビーピンクなどという、淡い優しい色合いの似合わない赤ん坊だった。

ザツコの胸が、一瞬、チクリとする。痛む。

バイコのあの、悲痛な、本能で悟ったか慣れ親しんで愛おしんでくれた人間との別れを悲しがっていつまでも続いた、泣き声。ザツコに向けられたものでなかった、あの声。

自分では無かった、バイコが求めたものは。せっかく生んでやったのに。

生まれてすぐに、実家の両親がひらいた記者会見の事実だって、雑子は知っている。

「お通夜会見」と書かれていたのだ、あのことは。父も母も、男の子でなかった出産を、喜びも祝いもしなかったのだ。おまけにあの日、母は、雑子がそのへんに投げておいたブローチを、襟もとにつけて。目立っていた。ワルクチを書かれた。いや、自分が母に、あげたのだったかいや、・・忘れていたブローチなのに。

母はよく、住まいに来ては、調度品や壁に飾られた絵画や、いろんなものを、フムフムと眺めていた。雑子の子が、男の子だったら、自分も大きな顔してその調度品や絵画のある世界へ入り込めると考えていたのだろう。

雑子もそれには違和感が無かった。

広いのだし。雑子はここへ、乞われて来てやった人間なのだし。

母方の祖父が、雑子たちの住まいへ来て。庭を車椅子で散歩して。喜んでいたことだって。マスゴミに叩かれた。いるべき場所ではないと言われた。何もかも、五月蠅くて神経の荒れることばかり、言われた。

夫が。こうたいしろであって、実際「おえらかった」丸臣が、いいですよ、どーぞどーぞと認めているのだから。」足を悪くしていた晩年の祖父のために(とは公には言われていなかったが)、事実、住まいをバリアフリーにした。マルの反対はあれば可能なことではなかった。つまり、マル自身は受け入れていたのに。いけないわけが無いのに。何をしてもワヤワヤと言われて。

夫の父は、バイコが生まれて後に、

「うちのツマは、丸臣の血筋に、後を継がせたいと考えているようです」

とか口外したそうで。それだけは、いいこと言ったと、雑子は認めてやっている。義父も義母も、少しはわかっているじゃん、と。

バイコ。あの子だってカワイソウだ。

その思いが、ザツコの胸を刺す。

・・・音の無い部屋だ。

床には足音が消えるほど厚い絨毯が敷き詰められている。濃い茶色。オークの色だ。壁も、どうやら、防音が可能なつくりになっている。音も、刺激も吸収する仕組みのようだ・・・よくわからないけれど。

ドアは施錠されている。いつも鍵がかかっている。何度も、右へ左へノブを回そうとしてみた、押そうと試みて全身で当たってみたが、どれだけ厚い材質なのか、ビクともしない。

ドアの向こうは廊下なのか。多分そうだ。廊下の側からしか開けられない、ドア。その内部に自分は、とらわれている。

今は出られない。それは、理解できている。

なぜ。それは解らない。解ろうとすると、考え始めると、頭の中心に楔を打ち込まれていて、それをぐっさぐっさと揺り動かされるみたいな、凶暴な痛みに支配される。

考えなければどうということも無い。食べて、眠って、時には外を・・・水色の空と、陽に煌めき風になびいてさやさやと鳴る、掌の形の葉っぱとを、眺める。

食事は運ばれて来る、味付けの薄い、野菜だの豆腐だの、ササミだの。

塊の肉、大量のチーズに塗れたパスタ、夫が毎夕封を開けて朝には空っぽの瓶になっている大吟醸の酒、そんなものは現れない。

まだ今は、それが無いと生きている感じがしないと狂おしくなるような感覚には襲われない。

まだ今は。

・・・いったい、どれだけの時が流れたのだろうか。

もうぼんやりとして、前世というものがあるなら、もしや前世のことだったかと思われる、遥かに遠いあの日のできごと。

はっきりとは思い出せない・ただ、バイコが、ジャムの瓶をデパートの床に落として。

      唐突ですが、明日に続きます。





 *  分類 : 雑子のはなし・終章へ向かって
自動通知機能 : -  *  伝言 : 2  *  記事編集  *  2019年04月24日(Wed) 22時58分
 愚痴言いました。

二十一日、日曜日。連休の混雑を予想し、おじけづいて、早めに墓参して来ました。

けっこうな数の車が停まっていました。奈良ナンバーはご当地。あと、埼玉やら三重やら。わが家の車は、その日は姫路ナンバーでした。日常的に車にのるのを止めて、奈良の家に置いていて、墓参りその他の日には、レンタカーを借ります。車種はヴィッツが多いです。いつかボルボの、旧式のタイプに乗りたい。など考えていましたが、ヴィッツ、乗りやすいし簡単なので、当分ボルボは無い線です…ほぼ確実に無い(笑)。運転は夫です。若い頃に免許は取りましたが、怖くて四つ角ごとに止まらないでいられないドライバーで、諦めました。乗せてもらう専門で来ました。

墓へ参ったあと、大腿骨を折って入院したという夫の母を、見舞いました。

ある種の「舞い」を、九十一歳の義母は続けていて。腰を落として回ったりするし、着物に着替えてするから、脚にまといついたら危ないと。転んだら終わりよ。と。何度か止めたのでしたが。お聞き入れにならず。

「ちゃんと覚えているし間違わないし〇〇さんさすがや、若い人のお手本になるわ、って、褒めてもろてんねん。」

喜色満面で仰っていた。私のタノシミとらんといて、ということで。それに必要なお金は、出させてもろてました。いつの間にやら私が出すようになっていた。オカアサンがええんやったら、そいでええんやろ。絶対言うこと聞かはらへんもん。そんな感じでおりました。戦意はとうに、消失、失墜しておりました。

したらその、十二日、舞が終わった後で。着物を洋服に着替えた直後に、転んで、大腿骨折った、救急車で運ばれて来た。私の顔をみるなり、そう言われるのでした。はあ、そうでしたか。ひどい糖尿病を患っておいでで、インシュリンを打っている体、幸いなことに、痛みは感じないのだそうです。

数年前にも、今回とは違う方の大腿骨を骨折されて、その時に私に、願いごとをされました。

「もしも私がもう立てんようになったら、あんた私を〇〇してや」

しごく真顔で。ああ、それは無理ですね~と私は申しあげました。

「ワタシ、それをしたら、どうなりますのかしら」

「あんたにしか頼まれへんねや。〇〇してもらうほか、私の生きていようが無いねん」

「いやあ・・では私は、それをお引き受けしたら、家族ともパソコンともお別れせなあきませんやん、なあ」

「パソコンて。マジメに頼んでるのに、何を言うのあんたは」

お怒りになり、私はその場を、辞すことができたのでした。

今回は、そのような依頼はされませんでした。ただ教えて下さいました。

「△△ちゃんも、骨折していま、入院してやんねん」

同居の、義弟の奥さんが、義母の入院の三日後に左肩を骨折して、同じ病棟に入院したのだと。

「××、一人で家にいてんのや」

数年前に脳梗塞を起こし、リハビリしないで家にこもって半身不随になっている、夫の弟さんが、一人で家にいると。

聞かされて、まあ大変、とっても大変、と思いましたが、私にはどうすることもできません。

「ワタシの年金、ぜ~んぶ△ちゃんが握ってや。ずっとや。年金おろしに行って、骨折って、お金握って入院したんやろ」

はあ。そうだったんですか。私には返事のしようが無い。

義母が不在の時は、出入りしないことになっています。家へ入られたくないのです。義弟のツマが。夫は、もしもの時の鍵の在りども知らされていません。

まあとにかく大変、な、義母と義弟のところの話を聞いて、ちょうどお昼ご飯の時間になったようで、ではまた、と、手を振って、お見舞いだけ置いて、帰って来ました。

何を思わないわけではありません。けど、手の出しようが無い。義弟の携帯にもつながらないようで。あちらにはあちらのお付き合いの方々がおられるのですね。おられると思うようにしたい。

三人でさんざん、世界中のあちこちへ旅をされました。幼い女の子を抱いて、傷心の身で実家へ帰った、義弟の最初のおよめさん。義弟は娘に、一円の養育費も払わなかった。夫の父親の会社、後に私の夫に回って来た会社を、好き放題に利用して潰し、義弟は、義母の貯金も最後まで使い果たし。

年金もかけて来なかった。貯金もしなかった。一攫千金のメガ・ドリームを、蜃気楼のように抱いての果てが、義弟のいま現在の現実です。ドリーマーとしては、死にもの狂いでなかったし。中途半端な男でした。

・・・おかあさん大変やなあ、寝ているしかなくて、心配しかすることできなくて、辛いやろなあ。そうは、思う。思いたくなくても、ココロから離れません。

でも、私や夫にできることは無い。今ではもう、そうとしか考えられない。いろんなことがあり過ぎ、忘れられないことも言葉も、あり過ぎます。それをすべて気持ちから拭い去ることができても。未だに、義弟が膨大に作った借金の残りを、支払っている。少額にはなったが。それはもう、仕方のないこととして、自分の中で処理している。拘っているのはイヤだから。行けるだけ行こうと、そういうこと。

夫は、仕事をしてくれていてしかも、とても頑張っていてくれますが、体調は万全ではない。母親に何度も、よかれの提案をして来たけれど、義母は、長男である私の夫を、面白くない男で、一緒には住めないと断り続けたひとです。面白くなくても、一所懸命に誠実なひと。私にはけっこう、面白くもある(笑)。誰よりもオフクロに傷つけられてきたと言う、可哀そうなひと。これはワタシの誘導尋問ではありません。(笑)。

私も、杖ついて暮らしている身です。それに、おかあさんを、芯はおそらく悪いヒトでない、が、好きになれないヒト、としか感じられない。申し訳ないけど。好きでなくても寄り添わなくてはならない、とは、もう今は、思えない。

この先、おかあさんの、一番シンプルなお葬式の代金は、持とうと決めています。直葬代。用意しています、使わない。それだけ、私たちができること、することは。

暗い話をしました。吐き出したくて、書いてしまいました。


 *  分類 : 日常
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 卯月、みんなのうた、まとまりました。


四月。卯月の「みんなのうた」多くの皆さまが熱のこもった詠草をお寄せくださり、ほんとうに嬉しくしあわせに思っています。

うたうことは、自分自身の見たくない部分をも見てしまうことでもあり、顔を覆って走って逃げたい時だってある。でも、その奥の、気づかなかった自分を、見ぃつけた、と発見するときめきだってあると、信じています。

よろしければ、月に一首でいい、匿名の、しかし真剣なこの場に、来月からでも混ざってごらんになりませんか。


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     まめはな の詠める

・飼い犬の背に揺られしはいつの日か落ちないようにと祖父が支えて

・弟を相手にしては身が持たぬ怒鳴られたれどそれには乗らじ

・弟の怒りの因(もと)は我にあらずただその胸の裡にあるなり

・弟よ憂きこと忘れ笑ってみろよ大事な妻子が呆れているよ

・縁日のお面のような皿帽子ひょっとこだったらちょっとは見直す

・梅桜つつじたんぽぽハナミズキ春の花々たすきをつなぐ

     黒猫アビ の詠める

 ・春休み孫に声かけランチへと
  はずむお喋り夫もよろこぶ
 
 ・不透明そんな時代のなかを生き
  小さな幸を大事にまもる

 ・風に舞う桜の花びらあちこちと
  蝶のようにもひらひら飛んで

 ・愛猫は桜まんかいのとき選び
  凛と逝きたりアビは見事に

 ・美しく桜の花の咲く道を
  見上げてあるく亡き猫しのび

     よしの の詠める

皐月立つ黒き心はいつの日か
言魂還りて身を滅ぼさむ

あきすぎてなるきにけらし黒妙の
心蠢く中の宮は

ちはやぶる神代も聞かず千代田山
鵺ぬばたまの闇明けぬとは

     白萩 の詠める

・佐保姫の衣か 今日の桜花 空を包みて盛りなりけり  桜 1

・うすべにの衣(きぬ)をまといて山笑う 平成最後の春は来にけり  桜 2

・疾走感ある曲 耳が欲しがりて スマホから流すのは「春の歌」  春の習慣

・投票所までのみちのりゆるゆると揃いのスニーカーはき散歩する  地方選挙

・令(うるわ)しく平和と言うか 次代らは穢れ混沌とした様(さま)なるに  元号発表

・昭和末期生まれで平成しか知らぬ われ令和をいかに生きるべきか  元号発表 2

・涼やかなかんばせに詰襟映えて健やかな若子すくと立ちけり  若宮ご入学

     おてもやん の詠める

   熊本地震から三年

〇一生分食べた気がしたカップ麺三年経ってまた食べてみる

〇あの時に欲しかったもの書き出して災害用の備蓄買い足す

〇ぜんざいを作ろうとして気が付いたあずき缶詰プルトップ無し


〇退位の日 飛行機に乗り海を越え異国へ行くわひこくみんでいい

     かりそめ の詠める

   新仮名、口語にての試み

*青空はとっても近いかもしれず心が遠くしているだけで

*古里の目印だった山だけどビルに埋もれてとても小さい

*日に透ける楓若葉を見上げては泣いた日々ある十七だった

   やまい

*問うてみる「今年いっぱいもちますか」「わかりません」と医師は答える

*あれからはあっという間の二年間生きているのを不思議に思う

*二年間記憶がとんでいるらしく辛さ悲しみ覚えていない

*踊り子草なずなはこべら仏の座花の名前は忘れていない

*病む友から病むわたしへと電話くる種類違えど病気は病気

*足繁く通った浜辺二年の間(ま)あけて少しも変わっていない

*死にたくはないが死んでもいいのでも夫以外に会いたい一人

*もう死んでいる私かもしれなくてだから苦しみに耐えていられる

   終われ→れいわ

*びりびりと障子震わせ春雷の天の怒りを伝えるがごと

     温泉郷の詠める

   旧仮名遣いに挑戦す

雛人形ことし長らく飾りたり娘に代はり家の華やぐ

取りどりに咲き誇りたる桜花植物園の森の香すがし

     萌黄色 の詠める

逆縁を人は不幸と言うけれど
そを切実にわれは乞うなり

我が逝き残る吾子にも桜咲く
桜やさしく咲いてくれるか

     パール の詠める

   休日の朝

⭐トーストの少うし焦げた匂いして
 「ふふふ」いい日になる予感する                    

⭐夕凪の病室(へや)より見ゆる光る海
 父を慰め穏やかになる

⭐東雲に雨に打たれてこぼれ咲く
 なごり雪かと見るユキヤナギ

⭐幼き日祖母とつくしを摘みし土手
 今舗装され草さえ生えず

⭐ヴェルサイユ ルイ王朝の夢の跡
 光と闇の今もそのまま
                       ヨーロッパの思い出

     わすれんぼ の詠める

   御代代わりにこの方のことを

耶蘇の使徒宮中に入り伝統の
真髄壊し抜け殻と為す

譲位前みてこ礼賛今ぞとて
洗脳箱が大活躍なり

悲しみの殻背負いたる虫の絵本
自愛話の小道具とせり

かなしみって いったいなんのことかしら
なさぬ仲の子受入れしことか

親王の生れ(あれ)出でたるを憎しみて
片靴送る心の闇よ

“どのように育つものか”の捨て台詞
そに口惜しさの現れており

完璧な宮中支配も肝心の
皇統はその手より滑りぬ

皇統をわがものにとの執念の
激しく燃えて継子いたぶる

皿帽子肩怒らせるマント服
底知れぬ“我”の巨塊を包む


元号の意義は維新に変質す
“一世一元”これが肝なり

令和だと掲げし文字の衝撃は
えも言われなき怖れと不安

“帰田賦”の仕掛けも知らず万葉の
故事引かされて左翼に完敗

**************
   スポーツ観戦から

諦めるその時こそがお終いと
教えてくれる勝負の世界

美しき戦士は顔を手に埋む
この日に賭けし思いあふれて

いかにしても勝ち奪い取る決意燃え
出を待つ戦士おのれ鼓舞する

   季節のうた

挿し木せし枝より出ずる緑の芽
心躍りて伸びゆくを待つ

挿し木より伸びし若芽の力なく
枯れゆくさまは見るに忍びず

久しぶり寒の戻りて気づくのは
僥倖なりし暖かき冬

一幅の額絵のごとく美しく
海棠の花窓辺にて咲く

   おまけ

叶うなら植木屋の子に生まれつき
ひたすら木々と語り暮らしたし

( おい婆さん植木屋舐めたらあかんぜよ
  声が聞こえるわかってますよ)

     ギボウシ の詠める

寝覚めての胸の重しは何ならん崩れ行く世に崩れたくなし

一回り上の亥年の友逝きて 祝い返しなき還暦弥生


     たまき の詠める

月の下 隊列を組み 行く駱駝
水はあるのか 果てなき道のり

よみがえる いくつもの春 春よ春
馬齢を重ね ふたたびの春

     玉兎と茜馬

雨の中霞がかかった花と塔夢心地消すわが花粉症

桜散る観覧レースの勝ち馬の「令和」と決まりしその日に死せり

      アルジェリマン の詠める

   思い出 
 
・ミツマタの香り咲き咲く百済寺 入り日おぼろに坂道やわらぐ

   10年前に訪れた百済寺(ひゃくさいじ)を思い出して

・三回忌の甘夏甘くみずみずし 育ててみんとその種洗う

・田の土の黒々光る あぜ道のレンゲは一気にすきこまれており

   レンゲで子供の頃の思い出がわきだしました。

・あずまやと名づけた小川の木の陰に 両親案内し得意気な子ら

・葉を丸め湧き水すくいひと含み いい水だねと父にほめらる

・浅き瀬に木漏れ日落ちて水光る めだか泳ぐを飽きず眺むる

・山里のレンゲ畑に大の字で青い空見た 家族四人で

・枯れ葦の根元に潜むザリガニを捕まえたれどハサミがこわい

・棘を踏み泣く妹を背負う父 山下りつつ物語する

     ゴネコ の詠める

もろもろと燃える尖塔くずおれてユゴーの書いた男はいずこ

     KUON の詠める

   回想の船旅

・ドラの音が風に滲めば旅人のこころとなりて岸に手を振る

・岸の灯を見呆けゐる間に海風はわがイヤリングさらひゆきたり

・洋上の空をつらぬく星の帯その天の川口あけて見る

・天の川にむかひて想ふ遠き日に父の背(せな)にて星を見しこと

・オリオン座は七つ星よと覚へたりそのリボン形を星の埋むる

・オリオンがゆるりと回れりわが乗れるフェリーの向きの変はるにつれて

・大洋ゆく船の真上を星が降る南に北に盛大に降る

・漁火の三つ点れるかの場所に幾人のひと働きをらむ

・夜の海に出でて漁(すなど)る男らにわが乗る船の灯の明るきや

・全身を緑青(ろくしゃう)に覆はれ龍馬像水平線の彼方を望む

・志なかばに散りしを銅像となりて昂然と独りの龍馬

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皆さまありがとうございました。

今月は、パソコンが反抗期のようで。カッコや「、[、 がうまく入ってくれず、あ、きれいぢゃない、と、お気持ちを削ぐような見た目の部分があるかも知れません。

パソの反抗期には手も足も出ず。薄目をあけてお許しくださったら、と、考えております。ごめんなさいだよ~~~(笑)。

また来月、ここでお会いしましょう、ぜひ。

 *  分類 : みんなのうた
自動通知機能 : -  *  伝言 : 2  *  記事編集  *  2019年04月22日(Mon) 21時03分
 天皇不在 で何も困らず。
どうしようかと思っていました。

でも「皇室を卒業」なるミズカラの記事。いただいたコメントにまだお返事もしておらず、ってことは、卒業未満だよね。と。己に甘い解釈をしまして。

これ、書きたい。

行きは大事そうに包まれていた、三種の神器とやらの、二種。天皇がお伊勢さんにお参りされて、退位します、となって。かの地へお返しになられた。

帰りの「それ」は、黒い箱のみで、包まれておらず=空っぽ。

退位を報告して、神器を返して、平成の天皇は、皇居へお帰りになられた。この際、夫人については、神さまの話に無関係なので、触れない。

いま、天皇の場所(あえて、場所)は、空っぽ。この日本に、天皇は不在。人間の都合勝手で人間の事情で、こういうことをして。

おっかしいことだなあと、真面目にちょっと、つくづく、しみじみしました。私の受け止め方は、もしかして間違っているのか知れません。

間違っている、のもそうなのですが、もう、あちらでは、神器もへちゃらも「迷信みたいなモノ」なのかも。カンケーない、のかも。


この間、次代のてんのー、令和の天皇(没したらその時に「令和天皇」と称される、ナルさんのことです)がしたことといえば、ナルさんの関与部分は不詳、としつつ、

愛子さんだというどこかの女性が、どこかのスキー場で、スキーやってる写真、動画を出したこと。

毎年のように、愛子さんだというどなたかの写真、動画を出して来ている。髪の長さやウェアや何だかが、異なることは気にしないで、おおらかというか、雑というか、はいこれ愛子さま、で、押し通そうとしている。

今年の愛子さま、は、今年も違うのだろう。体の細さというか、体つきが、まったく違います。

んで。本物の愛子さんだとしても。スキー滑れるからどうや、ちゅうねん。お上手、それはけっこう。

でも学校行ってない。学校行っておられない。お休みの日が圧倒的に多い。これ事実。学校ぜんぜん行っておられない。お母さまを見習えば、それもそうなるか。

お母さまの母親が「娘は親の作品」と仰って、随分と長持ちな笑いのネタを提供して下さった。それに倣えば、何の不思議もない。

「薔薇の木に薔薇の花咲く  何事の不思議なけれど」

雅子さんのお子は愛子さん、そういうことでしょう。

・・・東宮家のあの内親王さんは、この春、どこで、どんな風にお過ごしか。

天皇さんの不在の、いまのこの国。

別に、誰も、なあんにも。困りはしないのですが。

何も困らない。




 *  分類 : どうってことのない話
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 卯月のべんきょう、最後です。
続けます。お待たせしてごめんなさいね、でした。


     アルジェリマン

   4月は思い出を詠みました。

・ミツマタの香り咲きそふ百済寺(ひゃくさいじ) 入り日おぼろに坂道やわらぐ

   (10年前に訪れた百済寺(ひゃくさいじ)を思い出して詠みました。)

「坂道やわらぐ」が、いいなと思いました。「咲きそふ」・・・ここ、もう一度、勉強してみますね。あり、な気もするし、んん?のようにも感じる。勉強させてもらいます。

・三回忌の甘夏甘くみずみずし 育ててみんとその種洗う

(武士のごとく)世を去られたお父さまの、三回忌でしょうか。みずみずしい甘夏、美味しいと食べるばかりでなく、育ててみようと「その種洗う」こういう場面に、うたのこころが現れると思います。

神も詩も、細部に宿る、とか。その種を育てることは、お父さまへの追慕につながるのですね。


・田の土の黒々光る あぜ道のレンゲは一気にすきこまれており

   (レンゲで子供の頃の思い出がわきだしました。)

「レンゲは一気に」すきこまれている、と。一首の眼目です。

・あずまやと名づけた小川の木の陰に 両親案内し得意気な子ら

この「案内」は「あない」と読んで、リズムを整えます。

・葉を丸め湧き水すくいひと含み いい水だねと父にほめらる

・浅き瀬に木漏れ日落ちて水光る めだか泳ぐを飽きず眺むる

・山里のレンゲ畑に大の字で青い空見た 家族四人で

・枯れ葦の根元に潜むザリガニを捕まえたれどハサミがこわい

・棘を踏み泣く妹を背負う父 山下りながら物語する

どの一首も、場面が鮮やかに目に浮かびます。遠き日の、父と、母と、自分と、妹。還らない懐かしい、忘れがたい美しい、家族の日々。

私は持ち得なかった、そういったご家族の貴重な日々を、読みながら体験させてもらうような。

心地よい羨ましさに、涙が出ました。


     ゴネコ

もろもろと燃える尖塔くずおれてユゴーの書いた男はいずこ

   とりあへず、私も参加させてくださいませ。
   参加することに意義がある。……のか?
   「いずこ」は「どこに」のほうがいいような気がしたのでが、
   「いずこ」のほうが短歌の言葉らしいのかな、
   なんて思いました。歌の体をなしていないところが大問題ですが。


忘れないうちに大事なこと書いておきます。いへいへ、きちんと「歌の体をなし」ておられます。
いずこ、と、どこに、の問題。、仰るように「いずこ」の方が。短歌の言葉らしい(笑)。少し古い言葉っぽいでしょ。それと。

理詰めは苦手で、ええい、と感覚でやっちまうことも多いワタシの感じ方。まんざら無茶でもない気はします。

「いずこ」の最後の音は「こ」。向こう向いてタン、と行きそうでしょ。「どこに」の最後の音は「に」です、なんとなく「にー」と、こっち向いて迫って来そう。あくまでKUON流の感じ方の話で。

ノートルダムのカジモド、ベルばらのアンドレ。私の中の、ある系譜。ん。どなたも聞いてはおられない・・。けけ。失礼しました。

 *  分類 : みんなのうた
自動通知機能 : -  *  伝言 : 1  *  記事編集  *  2019年04月20日(Sat) 21時29分