ウソみたい、夢みたい、な歳末。
スズメ達が落として行く生命活動の最終段階のブツの跡を、夫が時々、きれいに掃除してくれます。アリガトネー、ゴメンネーと私は、清掃には加わらないで、おせち作りに勤しんで、とは参らないのです今年は。おせちも蟹も、通販で取り寄せることにしました。結婚して四十三年、初めて、おせち作らない歳末です。
昨日28日は銀行で、各社さまに振り込み、皆さんの給与も振り込み。途中でいったん抜けて、並びなおして。ネットでぱんぱ~んと振り込めるのは知っています、が、まだ、並んで一件ずつ、振り込んでいます。間違えないように、集中して。すべて済むと、デスクを借りてチェックして、おーけー大丈夫、あ~、今月も無事、支払いできた~、と、開放感とヨロコビとを味わう。私が出した請求書に、どの会社も、きちんと洩れなく入金して下さっています、これにも感謝。当たり前なのかも知れませんが、私にはたいへん、ありがたいことなんです。
・・とか。すっごく清くタダシい私になっています、ははは。本当なんですもの。
今年の最後の銀行回りを無事おわって、それから一人で、雑貨買いをしたり本を買ったり、ゆっくりできる店で美味しいものいただいたり。毎月していることを、これもいつものようにすることができて。は~、ほんまに今年も、もう終わりなんだわ、と深い感慨が湧きました。
姑にも孫たちにも、すでにお年玉は渡してある。姑さんは目上の方なので「お年玉」ではないのですが、そう言ってお渡しすると、赤ちゃんみたいに笑って喜んで下さる。この笑顔ってずるいな、と私は、少し、黒いこころになって思うのです。この笑顔に対して、意地悪な気持ち、抱いていても、ぶつけられないものな。いま一緒にいるひとたちと、家も建て直して一緒に暮らしたい、暮らすと決めたのは姑自身なので、愚痴や泣き言(やヨメへの罵倒)くらいは黙って聞くけれど、今の私と夫には、どうしてあげることもできない。
別れる時は、手の甲を撫でながら、「おかあさん、またね」と別れて来る。葬式の心配もお墓の心配も要りませんよ、と、聞こえない耳に向かって怒鳴るように言います、それは本当にそう思っていて何度も言うのだけれど。おかあさんの思うようなお葬式ではないだろうとは思う、お墓は、おかあさんと夫が入って以後、私ができるだけのこと限定ですよ、としか、言いようが無い。
「女の子しかよう産まんみたいやけど、私は何とも思てへんで、女の子、可愛いやないの」。と仰られたそのまま、娘だけ授かったのは、ホントなので。
私がお墓のことをできなくなって、〇年が経ったら、自動的に整理してくれるようにしてあります。私は、海へサンコツしてもらえるように、遺言をしておく。それができるようなのですよ。ルン。
娘たちは人生まだ、りんりんの時期です。孫たちも、ばあちゃんの背丈を超えて、なんとか前向いて生きて行ってくれるでしょう。
おかしなことに、気にかかっているのは、夫の母の事なのです。不思議な話です。ときどき、思い出しては、ウッキー!、と、腹を立て直しているのに。(笑)。
まあ、穏やかなお正月を迎えて下さるでしょう。お正月にお会いしないのも、何十年来はじめてのこと。
夫の実家に年末は泊まり込んで、多い時には三、四軒分の三段のおせちを作るのに奮闘した若かった日。細かい細工も教えてもらいました。砂糖と醤油とをどっさり使うので、その匂いで頭がくらくらした。商売をしている叔母さんのところや甥御さんの家の分も、作って、渡して、それでも毎年おせちは大量に残りました。大量に作るのだから。
日本が戦争をしていた頃、姑は若い娘でした。大きな農家であったので、実際にひもじいことは無かったらしいです。ただ、きれいな食べ物、珍しい食べ物は無かった、沢山は食べられなかった。それは、何度も聞いて、後になって実感がわいてきたことでした。
どれだけでも食材を買うことができるようになって姑は、なんでも大量に料理する人になっていました。おせちも、お重に詰めるほかに、大皿にいっぱい、昆布巻きも煮しめもサバの生寿司もゆで卵の紅梅白梅、その大皿も、何皿も。補充用とて。
親戚の方々は、お年始に来られても、そんな沢山召し上がりません。若いひと用に、ケンタのチキンもどっさり、買いおいて出しましたが、冷めたチキンに手を出す若い方はおられませんでした。遠慮しいしい進言してみても姑は聞かず、やはり、義弟は頼まれて山盛り、買ってくるのでした。自分もそして、食べない。
何日もそれらを、食べる。当時、こんなうたを詠みました。
正月も三日となればはぐはぐと厚きトースト無性に食べたし
実感でした。何の変哲もないトーストと、コーヒーが、恋しかった。私は長男のヨメなので、余った料理は、最後まで、大切にいただくのでありました。食べ物があるだけありがたい。それはそうなのでした。
・・・今年も終わりに近づき、もしかしてこれ、いま書いているのは、デトックス?。毒出し?。
紅白歌合戦見たいのに、レコード大賞も見たいのに、何を呑気なこと言うてんねん、と見せてもらえなかった。あの時の怨念が、噴き出ているのか?
ジュリーを好きだといったら、「あんな隠花植物好きやなんか、人前で言わんときや、かっこ悪い」と言われちゃった。くそう。
アホなこと書いています。このあたりで止めようかな。汚いココロの私になっていましたね。ふう。
ベランダは夫がきれいにしてくれました。私はそして、さきほどまで、今年の高校野球、夏の大会の特集番組を、ゆっくり眺めました。皆いい子やなあ。ほんと、すばらしい。根尾くんも吉田くんも、頑張って下さい。藤浪くんも、今年はがんばれ~。
しなくてはいけないこと、無いのです。したいことだけしていていい、年末。するべきことは、昨日までにしてしまったし。
明日はおせちと蟹が届きます。他のいろんな食材を、夕方、夫が買ってきてくれました。重いのに、いろいろなものを。明日、おせちが届いたら、内容を見て確かめて、もう少し買い物に行こうと言っています。
元旦に長女夫婦が来る。それを、夫は、楽しみにしているようです。私も昨日、銀行の帰りに生ハムやチーズや何やかや、買って帰りました、実は。
したいことだけしている歳末。ウソみたい、夢みたい、年末やお正月が楽しいって、すてきなことだわ。