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太鼓の音が聞きたい。和太鼓ならなお嬉しい。

中学、高校と、吹奏楽の盛んな学校だった。何かあると吹奏楽、だった。きらめく管楽器もよかったが、大きいの小さいの、太鼓の音が好きだった。クラスではおちゃらけているフツーの男の子たちが、ぴしっと制服に身を包んで、姿勢ぱりっと視線はまっすぐに歩きながら楽器を演奏して行く姿は、まぶしいと同時に、女の子には許されない世界を見せつけられているようで、悔しい気持ちもあったのだった。・・・素直に憧れるだけで済まず、のややこしい性格だった・・・。

中学時代にビートルズに出逢い、高校の寮ではGSにどっぷりだったことは、今までにすこし書いたけど。それからロック、ヘッドフォンでグァングァン聴いてたとも書きましたけど。

長じて後は、また違う方向を向いていた。まずは高橋竹山。津軽三味線の竹山。盲目の、とアタマについて紹介されること多かった、そんなことは(私には)どうでもよかった、音に掴まれてしまった、演奏会場へ、行ける限りは足を運んだ。いろいろな音や歌を聴きに、いろんなところへ行っていた時代だった、周囲にはさまざまユニークなヒトビトがいた。

初めに、方向音痴の私を竹山の演奏する場所へ連れて行ってくれたのは、同い年くらいだった一つ三つ編みのAだった。男性だった。チケットを手渡された時に、あ、ありがと、とお金を払ったらイヤな顔をした、なんじゃい、と思い、気にしないことにした。チケット代だけではいけなかったのだろうか、とは、ふと、感じつつ。

息が止まるような演奏を、両手、こぶしを握り締めながら聴き終えて私は、全身、ぐったぐたになった。シートからすぐに体を起こしかねた。アタマのなかに、べんべんべんべんべべんべんべんべべんべんべんべんべん。もう終わってしまった太棹の音が、鳴り響いていて、すぐにはものを言うのも無理、な感じなのだった。

三つ編みのAは・・フォークソングをやっていたなあ・・もう、とか言いながら通路まで誘導してくれ、背中を押して出口へ向けようとしてくれたのだったが、打ち明けます、わたし、人さまにカラダに触れられるのが、とてもとても得意でないのです。で、親切なAの手を、振り払ってしまった。なんだよお、とAは、たったと先に出て行ってしまった。

置いて行かれたら困る。方向音痴の私は焦って、追いかけた。一つ三つ編みの背中が見えた、ごめんねぇと追いついたら、何にごめんなんだ、と、Aは、怖い顔だった。

何に?・・うう、いろいろ、かな。演奏中に話しかけられて無視したこと、小さいチョコくれようとしたのに気づかなかったこと、さっき、手を、振り払ったこと???。よくわからなかった。

これからどうすんの、とAは、いつもの、草食動物系のマナザシになって、尋ねた。これからどうする・・わかりません。

〇〇へ行ってゴハンって言ってたんじゃないの。Aの口調のトーンが上がったの、気づいても対処ができなかった。きっと私は無神経だったのだろう、と、後で、翌日の次の日のくらいに気が付いた・・・。確かそんな話だった、遅かったようで・・・。ただ私は事実、お腹はとても空いていたのに、ゴハン食べに行く気分には、まったく、なれていなかったのだ。

もういいよ。Aはやさし~い声で言った。やさし~く笑いもした。私は、ものすごくすまない気になって、だから、うまくものを言うことができなかった。

「Aさあ、気を悪くしちゃった?」

私が口に出来たことはそんなことで、Aは、うううん、と、大きく頭を振って、そんなことないよ、と言った。俺が、ちっともわかっていなかったんだと思う、と言った。何を?と私は問うた、Aは、もういいんだよ、と、やっぱり草食動物の目をした、そして、私にわかる大通りまで無言で案内してくれて、あっちへああ行ったら帰れるからね、じゃあね、と、口元を「ん」の形にして、笑ってバイバイ、と言った。

走って行ってしまった。

・・・あああ、ごじんじょだいこ、について書きたくて始めたのに、ぜんぜん違う方向へ向かっているような。

また書きます。え。読みたくない? 私は書きたいもん。



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2019.02.22 Comment:3
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