弥生のおべんきょう始まりました
今月は沢山の詠草をお寄せいただき、KUONのこころも春です。
おうたを中心に、共におべんきょ、いたしましょうね。今朝のわがBGMは「朝日のあたる家 by 裕也・内田」だったのですが、今は、リストです。カンパネラ。辻井伸行さん。
この文字が詠草。詠み人さんのお名前。うた以外の詠み人さんからのあれこれ。この色の文字はKUONが書いているところです。
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まめはな
・母の信ずる邪教の信徒ことごとく吾を罵りて絆固めり
コメントの中身は変えられないので、ここでお望みのようにコメント部分は消しました。
うたは、何を詠んでもいい。負の思いでもいい。暗くても黒くてもいい。ただ、うたとしての完成を目指して行きましょう。うたに思いを託すならば、そこが大切です。何を詠んでもいいのです。
「吾を罵りて絆固むる」あるいは「われを罵り絆を固む」で、うたになります。
・辛いからこそ頑張っておりますと言わせて貰えず罵しられるる
「辛いからこそ頑張っておりますと言わせて貰えず罵られぬる」
・雛(ひいな)飾る春しか知らで老いもせずただ微笑(え)みておりただ微笑みており
うたとして厳密に読めば手を入れたい。が、おそらく作者はこのままを望まれるでしょうし、うたの成り立ち自体に大きな問題は無いので、このままにさせておいていただきます。
天上の青
東北はまだ雪の舞う冬であったことを思う三月です
ひな祭り
ひなの顔みな
ひんやりと
虚空を見つめ
あでやかに
私は日本人形、特にひな人形の持つこの世ならざる美しさが怖くて苦手です。
わかります。私の上の娘は、お雛さまも市間さんもとても怖がっていました。人形は、人間の子の「まがごと」を背負わされて流されるものだったのですからね・・。
最後、5句目の「あでやかに」の字足らず(5文字)が気になります。ご自分で足されるか、任されるなら清書の時までに考えてみます。あと2文字、あった方がぜったい、いいです。ふつうにしてみると「虚空を見つむ あでやかなれど」のようになります。
かげろう
帰省してきました。
ふるさとは歴史と文化を切り売りし地域創生ひとはいうなり
このままでも、言うに言えない思いは出ていますが「地域創生」の後に「と」を入れるといいのでは、と思います。1文字多くなるけどあった方がいいです。1文字削るなら「歴史と文化を」の「を」を、取りましょうか。声に出して読んでみて下さい。・・・「を」もあった方がいいです。
「ふるさとは歴史と文化を切り売りし地域創生「と」ひとはいうなり
「地域創生」の後「を」もいいですが、「歴史と文化を」の「を」を生かすと、やはり「と」でしょうか。
帰省して歩きし路も風が吹くわれは見知らぬ旅人となる
「歩きし」の「し」は過去形、過去のことをいう「し」です。いま歩いている道のことですから、お好みに合わないかもですが、たとえば「そぞろゆく道風が吹く」などとされると、歩き方のこころもとない感じが出る(かも)、そして最後の部分ともマッチして来ます。
「帰省してそぞろゆく道風が吹くわれは見知らぬ旅人となる」・・「吹く」と「なる」の「う」の子音が快くなる(と思う)のです。
通学の道とはいえどいまわれは異邦人の衣纏えり
1句目、クソマジメに言えば「通学せし」ですが、このままでいいと思います。最後、リズムが整わずもったいないので、ん、どうしましょう。「通学の道とはいえどいまここにわれは異邦人の衣纏えり」では、いかがでしょうか。
18歳まで過ごしたところですが、帰るたびに見知らぬ街になっているような気がしています。