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2019-03-31 (Sun) 07:26

さびしさに色があるならば

さびしさに色があるならば

        ジャムのかなしみ  終章  (再再掲)


地球に似たる、おきゅう星

その東なる のっぽん国

春には花が咲きまして

夏には海が黒くなる  青すぎて海 黒くなる

秋には思いが深まりて

冬には

言葉が重くなる


かつて姫でもあったげの

バイコがおうちと呼んでいる

ただただ広いその場所の 屋根にも花が降っている 

風に巻かれて陽を抱いて

いつまでも花 降っている

バイコは窓辺に一人いる

なすこと無くて ひとりです

誰かが髪を編んでくれ

誰かがパンを焼いてくれ

パンを食べたら また一人

バイコは一人がイヤじゃない

部屋でひとりは イヤじゃない

遠いむかしか通ってた 学校というあのところ

みんながわいわい言っていた みんなははしゃいで弾んでた 

あの箱のなかで ひとりいた

そんなひとりは イヤでした


行けなくなった学校もあった気がする  あったかな



パパとか呼んでいた人と

確かわたしのママらしい

あの人たちが連れに来て

どこかへ行くからさあおいで

腕をつかんで引き出され

とちゅうでだれかと変わったな

連れて行かれて手を振って

眠っていると つきました

降りて 歩いて ここへ来た

そこで一人でいることは

なんだかイヤな気もあった


知らないひともおりました

みんな薄目で見てました

バイコのことを薄い目で



自分のお部屋に一人いて

窓の外には花吹雪

あの樹は桜と知っている

いつか優しいあの方が

バイコに教えて下さった

しゃぼんの匂いの方でした あそこの子たちもいい匂い



バイコの好きなあのおうち

なかなか行けないおうちです

あれから行けなくなりました

どうして行くかは知っている 車があれば行けるかな

けれど行けないお家です



花が散ります 散っています

音が何もありません

しーんと静かなおうちです

座っていると ずるずると

引きこまれて行く 気がします

いつか眺めた 海の本

海はとっても広くって

信じられない深さだと

いっそ くたくたくずおれて

海の底へも行ってみたい

人魚の姫もそこにいて

せつなく泡になったとか



一人で行ってもいいのなら

あの青かった海の底

見に行きたいと思います

でも行けないと知ってます

バイコはひとり 窓の辺で

ぼんやりと花を見ています。

風が強く吹くときは

花がヴワっと舞い上がる

舞い上がってはまた戻る

バイコはそれを見ています


何と静かないえの中。

皆はどこへ行ったのか

バイコは何もわからない

私でないひと だれなのか


バイコは何も見ていない  覚えていない  泣きもしない

ずっとこのままいるのかなずっとこのままいるのでしょ


夕暮れいろが降りて来て

カーテンを閉じて目を閉じて

ふたたび朝が訪れて  そうしてやはり

誰もいない。

いつからここにいるのやら

いつまでここにいるのやら

わからないまま 思わない


きょうもバイコは一人です

明日もきっと そうだろう

一人でないってどんなこと

そんなことさえ わからない


バイコの窓に花が降る

いつ止むとなく花が降る

静かに花の降りしきる

のっぽん国の午後のこと


さびしさに色があるならば

花びら色と思う午後






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最終更新日 : 2019-03-31

* by うーすけ
何回読んでも心がギューッと締め付けられ切なく悲しくなるお話です。


現実のお姫様はそれなりにお幸せそうに見えて、かつての気持ちもどこかに行ってしまいました。
新しい時代の幕開けと言われる元号も新天皇夫妻、娘もどうでもいいです。
お金を湯水のように使われる皇室も宮内庁も無くなればいいのにと思います。

おきゅう星はあるかもしれない * by アルジェリマン
バイコはほんとにいるような気がする、
そんなおきゅう星もあるんだろうなと、
この切ないお話を読んで、思いました。
 
花びら色の中で夕暮れ迎えて眠って起きて、
ガラスのドームのなかで、
静かに暮らせたら、そうさびしくはないのかもしれない。

このお話、もう続きはないのですね。


静かだな海の底 * by ラピスラズリ
さびしさの色って何色だろうと考えてみましたが、最後まで思い浮かびませんでした。
そして最後まで来て、そうだ本当にはなびらの色なんだと胸にストンと落ちました。
それも薄いさくらのはなびらの色。

読んでいて昔聞いたことがある、ジャックスの"からっぽの世界"というフォークソングを思い出しました。
詞は改めて調べてみたものですが最後のフレーズが深く印象に残っていました。



僕死にたくなんかない
ちっともぬれてなんかないもの
静かだな海の底 静かだな 何もない



僕 死んじゃったのかな
誰が殺してくれたんだろうね
静かだな 海の底 静だな 何もない

ひこうき雲にも通じる死の匂いです。しかもこどもの。
ここで私はある少女を連想して胸が詰まりそうになりました。
kUONさんの物語の中にも全編を通して訴えかけてくるような気がしました。

高貴に生まれついたのにただの一度も真から幸せを感じることはあったのだろうか?
むしろこんな感情と無縁である方が救われるような痛みを覚えました。
妄想です。

私も死後はガラスの棺に横たわって海面の陽さえ差さない深い深い海の底で静かに永遠の眠りにつきたいと幻想しました。

* by アイリス@
ジャムのかなしみ 大好きなシリーズ。
やはり良いなぁ、、。

しみじみ何度も読み返し、せめて
このシリーズだけでも
時々 お書き頂きたく
お願いに参上仕りましたm(._.)m

桜が満開でも賑やかではなく
何故か密やかに冷たい気を出していますが
ジャムのかなしみに を読んでいると
同じ感情に抱かれます。

出来れば書籍化して欲しい程です。
(内容的に無理ですね、知ってはおりますが
笑)今日で災害続き、異様な事件続きの
平成も終わりです。さてこれから
どんな時代がやってくるのやら。
せめて、自分で出来る備えだけは
怠らずに行こうと決めました。

ジャムのかなしみを読ませて頂き
ありがとうございました。


* by まめはな
このお話の中のバイコさんは哀れで痛ましいのですが、現実のお方は…。
何の義務も負わず、欲望のみを肥大させて結構楽しそうで。

何もわからないなら、それも幸せかもしれません。
この方の障碍は、神様からの贈り物なのかも。

* by KUON
・うーすけ さん

どんな読まれ方をされようと、いったん手から離れたものは、どう言いようも無いですね。
どうでもいいと仰られると、そうなんですかとしか言えませんね。

創作なのですが。

・アルジェリマン さん

>花びら色の中で夕暮れ迎えて眠って起きて、
>ガラスのドームのなかで、
>静かに暮らせたら、そうさびしくはないのかもしれない。

私もそんな風に思って、何年も前に書いたのでした。
何年も前のこの女の子は、いま、どこで、どうしているのでしょうね。

どこかに、一人でいるこが、いるように感じているのですが。

魑魅魍魎の跋扈する世界です。

・ラピスラズリさん

ジャックス。よく聴きました。早川良夫の世界。ラブ・ジェネレーション。この「からっぽの世界」も。私は、死んだら、海に散骨してもらうつもりでいます。あるんですよ、そういうの。あまりおおぴらには書きにくいですが。奈良のお墓はぎりぎりまで見させてもらいますが、あそこには入らないの。

ルイ十六世とアントワネットのお子たちも、た革命の後には酷い目にあわされたようですが、高貴な(といわれる)生まれが、ずっと完璧な「幸福」につながるということも、そんなには無いようですね。

・アイリス@さん

深く思って下さって、ありがとうございます。

もうあちらのことには触れたくないと思い切り、以前のブログを読んでいたら、ああ、これ、四月中にもう一度、出して来て、それから完全に止めようと思いました。

ラストは無いのですよね。あれらはのうのうと、恥知らずに生きているのですから。こちらから離れるだけのことです。そして、自分は自分の、授かった人生の終章まで、しっかり(よちよちと(笑))生きて行くだけですよね。

もう少し続くと思います。

・まめはな さん

何も分からないなら、本当に、ご本人にはそれも幸せでしょう。

私には私の神さましかいらっしゃらないので、そういった「ギフト」がどんなものなのか、わかりません。







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何回読んでも心がギューッと締め付けられ切なく悲しくなるお話です。


現実のお姫様はそれなりにお幸せそうに見えて、かつての気持ちもどこかに行ってしまいました。
新しい時代の幕開けと言われる元号も新天皇夫妻、娘もどうでもいいです。
お金を湯水のように使われる皇室も宮内庁も無くなればいいのにと思います。
2019-03-31-11:47 * うーすけ [ 返信 * 編集 ]

おきゅう星はあるかもしれない

バイコはほんとにいるような気がする、
そんなおきゅう星もあるんだろうなと、
この切ないお話を読んで、思いました。
 
花びら色の中で夕暮れ迎えて眠って起きて、
ガラスのドームのなかで、
静かに暮らせたら、そうさびしくはないのかもしれない。

このお話、もう続きはないのですね。

2019-03-31-17:34 * アルジェリマン [ 返信 * 編集 ]

静かだな海の底

さびしさの色って何色だろうと考えてみましたが、最後まで思い浮かびませんでした。
そして最後まで来て、そうだ本当にはなびらの色なんだと胸にストンと落ちました。
それも薄いさくらのはなびらの色。

読んでいて昔聞いたことがある、ジャックスの"からっぽの世界"というフォークソングを思い出しました。
詞は改めて調べてみたものですが最後のフレーズが深く印象に残っていました。



僕死にたくなんかない
ちっともぬれてなんかないもの
静かだな海の底 静かだな 何もない



僕 死んじゃったのかな
誰が殺してくれたんだろうね
静かだな 海の底 静だな 何もない

ひこうき雲にも通じる死の匂いです。しかもこどもの。
ここで私はある少女を連想して胸が詰まりそうになりました。
kUONさんの物語の中にも全編を通して訴えかけてくるような気がしました。

高貴に生まれついたのにただの一度も真から幸せを感じることはあったのだろうか?
むしろこんな感情と無縁である方が救われるような痛みを覚えました。
妄想です。

私も死後はガラスの棺に横たわって海面の陽さえ差さない深い深い海の底で静かに永遠の眠りにつきたいと幻想しました。
2019-03-31-21:22 * ラピスラズリ [ 返信 * 編集 ]

ジャムのかなしみ 大好きなシリーズ。
やはり良いなぁ、、。

しみじみ何度も読み返し、せめて
このシリーズだけでも
時々 お書き頂きたく
お願いに参上仕りましたm(._.)m

桜が満開でも賑やかではなく
何故か密やかに冷たい気を出していますが
ジャムのかなしみに を読んでいると
同じ感情に抱かれます。

出来れば書籍化して欲しい程です。
(内容的に無理ですね、知ってはおりますが
笑)今日で災害続き、異様な事件続きの
平成も終わりです。さてこれから
どんな時代がやってくるのやら。
せめて、自分で出来る備えだけは
怠らずに行こうと決めました。

ジャムのかなしみを読ませて頂き
ありがとうございました。

2019-04-01-08:01 * アイリス@ [ 返信 * 編集 ]

このお話の中のバイコさんは哀れで痛ましいのですが、現実のお方は…。
何の義務も負わず、欲望のみを肥大させて結構楽しそうで。

何もわからないなら、それも幸せかもしれません。
この方の障碍は、神様からの贈り物なのかも。
2019-04-01-08:11 * まめはな [ 返信 * 編集 ]

今も夢見る 

・うーすけ さん

どんな読まれ方をされようと、いったん手から離れたものは、どう言いようも無いですね。
どうでもいいと仰られると、そうなんですかとしか言えませんね。

創作なのですが。

・アルジェリマン さん

>花びら色の中で夕暮れ迎えて眠って起きて、
>ガラスのドームのなかで、
>静かに暮らせたら、そうさびしくはないのかもしれない。

私もそんな風に思って、何年も前に書いたのでした。
何年も前のこの女の子は、いま、どこで、どうしているのでしょうね。

どこかに、一人でいるこが、いるように感じているのですが。

魑魅魍魎の跋扈する世界です。

・ラピスラズリさん

ジャックス。よく聴きました。早川良夫の世界。ラブ・ジェネレーション。この「からっぽの世界」も。私は、死んだら、海に散骨してもらうつもりでいます。あるんですよ、そういうの。あまりおおぴらには書きにくいですが。奈良のお墓はぎりぎりまで見させてもらいますが、あそこには入らないの。

ルイ十六世とアントワネットのお子たちも、た革命の後には酷い目にあわされたようですが、高貴な(といわれる)生まれが、ずっと完璧な「幸福」につながるということも、そんなには無いようですね。

・アイリス@さん

深く思って下さって、ありがとうございます。

もうあちらのことには触れたくないと思い切り、以前のブログを読んでいたら、ああ、これ、四月中にもう一度、出して来て、それから完全に止めようと思いました。

ラストは無いのですよね。あれらはのうのうと、恥知らずに生きているのですから。こちらから離れるだけのことです。そして、自分は自分の、授かった人生の終章まで、しっかり(よちよちと(笑))生きて行くだけですよね。

もう少し続くと思います。

・まめはな さん

何も分からないなら、本当に、ご本人にはそれも幸せでしょう。

私には私の神さましかいらっしゃらないので、そういった「ギフト」がどんなものなのか、わかりません。






2019-04-04-22:30 * KUON [ 返信 * 編集 ]