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Top Page › 雑子のはなし・終章へ向かって › 実はロマンを愛好する、黒オジ氏。
2019-04-26 (Fri) 19:49

実はロマンを愛好する、黒オジ氏。

  
 イメージ短歌
       「ワタクシの専属医師団の言うごとく したいことだけさせておいてよ」

    今はその「独り医師団」とも遠くなってるのよね。と、突っ込みたかった何茶手くおん の あてこすりの一首



「捕まるわよ、あなた」

雑子は言ってやったのだ。人差し指をまっすぐに、鬱陶しい感じの悪い男に向かって突き出して。あの頃のように。名刺を出せとは、独身だったあの時のようには言わなかったけれど。

「エラそうに説教して通ると思ってるの、わたしを誰だと、何だと思ってるの、はぁあ」
思いっきり顔をしかめてやる。

・・・「捕まるのが恐ろしくて、ひでぇんか、あなた様のごとき訳知らずのお方に話をしようとは、もとより考えておりません」。
黒服のオジサンは、少し笑いながら、おばさんを見つめました。こうたいしろより年上のようですが、声は低くて、多分イケメンではない・・と見えるけど、かっこいいオジサンです。

おばさんは、フンと鼻を天井に突き上げて、ペンギンみたいに立っているこうたいしろに、バカみたい、と憎らしそうに言って、手に持ったままだった大きなチーズの塊を、ドスンと、入っていた木箱に投げ落としました。

あ。チーズの悲しそうな声が聞こえた・・・ジャムの耳には確かに届いた悲鳴でした。

「閣下、時間が足りなくなります」

もっと低い声がし、黒服おじさんは、ん、と短く応えました。おばさんにまっすぐ向きました。さいこーに短く申し上げましょう。笑いました。

「太陽は、あなた様の上にだけ現れて、あなた様のみを照らすものにてはございません」

おばさんは、もう一度ふん、と鼻の先っぽを上に突き上げています。

「誰の上にも陽は照っているのでございます」

「早くここから出して。私だけでもいいわ、とりあえず。それか、電話かしなさい」

「報道の人間も政を行う者も、このデパートの株を所有する者も。社員も派遣の社員も、顧客も司法の関係者にも。あなた様の惨状を見難く感じる者がおります。国のため、憂うる者もおります。日ごろは微細な力であって、のっぽんはこれからどうなって行くかと、心痛めつつも、如何にするもままならぬと、強き諦念に身を委ねております者が、日を追うごとに、ひでぇんか」

「うるさいわアタマ痛いわ」

「増えまさっております、実際におります。そして、この美しいのっぽん国の今後のために、微力ながら叶うならばなんらかの力を、と、望む者が、数多くいるのでございます」

「何言ってるか解らないわ。むずかしいこと嫌い、うるさいの大嫌い、のど渇いた、お腹も空いて来た、脚が棒になって来たわ、私をこんな目に遭わせて、どうなるか覚えていなさい」

「国民は苦しんでおります、ひでぇんかの慎みの無い態度、なすべきをなさず勝手気ままなご行動怠惰に過ぐるおんありさま、血税を貪るにお身内までも交えての傍若無人、お子さまを甘やかし遊ばすのみにて、公人にふさわしい」

「バイコのことは誰にもとやかく言わせません」

ひでぇんかが怒鳴りました。バイコさんはぴくっと震えて、体中が固くなったみたいに、ぱぱから離れようとして斜めになったまま動かなくなっています。

「バイコのことは何も言わせません、言うな、ワタクシに聞かせるな」

「ではお嬢さまのことは」

「他のことも、何も、言わないで」

「しかし本日は聞いていただくために」

「聞かないっ 何も言われたくないっ、ちょっとマル、何とかしなさいよ、この男、何とかして。アタマおかしくなりそうだわ、クスリも持ってきていないのに、どうしてくれるのよ」

こうたいしろの名は「マル」なのですね、ジャムはすでに学習しています、わかりました、マルさんは体を前後に揺らしながら

「はははははい、何とか、ですね、心得ました、何とかしましょう、しかし、が、どうすれば何とかなりますかね、ええと」

困りながらこうたいしろは、ブワンっと飛んで来たひでぇんかのバッグから、ひゅいと身を屈めて直撃を避けました。

すごい技だ。慣れてるな。ひそひそ声がジャムの耳に伝わって来ます。実にすごい反射技でした。

「早くここを出しなさい、言うことはそれだけ、お腹が空くとワタクシはね、何も考えられなくなるの、子どもの頃・・・若い頃・・・」

ひでぇんかは、何かを思い出したようです。

「・・・時間に食べさせてさえくれれば、お母さまが人に言い触らすくらい、いつもたっぷりの手料理を作って時間に間に会うように並べてくれれば、トモダチできなくても平気だった、オトコのことばっかり考えるようなことも無かったのよアタクシ・・」

「個人的な不幸の追憶でございますね」

とても落ち着いたとても静かな声で、おじさんが言いました。

「あなた様のご身分に、そこまでの拘りはふさわしくないのでは」

「うるさい」

ひでぇんかは叫んで、左右の手の人差し指を、がばっと、ご自分の耳にお突っ込みになられたのでした。ぎゅぎゅっと力を込めて。

「うるさい黙れわたしを責めるなうるさい黙れわたしを責めるなうるさい黙れわたしを責めるな」

目を据えてぶつぶつと始めました。

「やはり、ひでぇんか、お考えいただきませんか」

「・・・考えると、頭の中をぶんぶんハチが飛ぶの」

「そのまま、静かにご自身と向き合われることなさらず、お考えなさらずでこの先も参られますか」

「私にどうしろって言うのよ、わからないことばっかり言って、お可哀想なザツコさまって、あなたは思わないのね、トカゲ男ね」

「卑しくもひでぇんか、のっぽん国のひでぇんかならば、おん自らのお考えをいただきたく存じます」

誰にも一つずつ備わっているおつむは、お帽子の台にてはございませんのですよ。黒オジさんが言うと、いきなりバイコさんが

「おぼうし。お皿。おぼうし、お皿、ばばあ」

少し笑いながら声を出しました。八重歯というらしい名の歯が、両方の口の端っこに見えました。

こうたいしろが、嬉しそうにそばに寄って、バイコさんのあたまを撫でました。

お皿。バイコさんがぱぱを見上げ、ぱぱさんは、バイコさんに合わせるように、おぼうし、おさら、おばあさま、と繰り返すのでした。

「ちがう、ぱぱ」

「何がちがうのかな?」

「おぼうしお皿ばばあ」

「ん? お帽子お皿ばあば?」

「ばあばちがうぱぱ」

「ばあばじゃないの? バイコちゃん」

「ばあばちがう、ばばあ」

言いながらバイコさんは、さっと、お父さま・・マル? の頭の上を、ざっと右手で払って。・・・・・・・・・・・・・この瞬間の状況と、マルさまの動揺した様子は、なぜか省略。


{はあああああ?}

黒オジに、何やら耳打ちされていたひでぇんかが、ふぎゃあああ、と叫んでそして、


「じゃあ父をどうやって、救ってやるの」と。もの凄まじい剣幕でお震えになられたのでした。

父を、父が、父に、父の、と、あわあわ、父が大変、父だって被害者、と。ジャムにはさっぱりわかりません。

ひでぇんかは、その父というものが、いちばん好きなのでしょうか。

「がんじがらめなのよ、父だって」

「ご実家のお父上に関しては、あくまでひでぇんかのお案じなさるべきことにはございません」

「気になるじゃん、父だもの、親孝行が人間の基本と、ワタクシ、かつて灯台にておそわりましてよ」

「苦笑」

黒オジさんの顔に、本当に、「苦笑」の文字が浮かんだのです。ジャムにもなんだか、それは、理解できた・・

ぴっと黒オジの顔が引き締まって、

「お立場よりお考えいただきますれば、カワッタ氏は市井の一人物にすぎません、ひでぇんか、そうであるべきなのでございますよ」

「冷たい切り捨て方ね」

「常識の範囲のこと」

「わたしのために必死で来たのよ、わたしの父は」

「お国のために、ひでぇんかはあるべきお方、それは通りません」

「父どう思うのそっちは」

「最低。と、申し上げましょう」

「最低はあんた

「虚虚の栄華はお身の続く限りのこと、一夕の夢、砂上の楼閣、諸行無常にして、桜散らしの春の風、失礼、わたくし実はロマンを愛好する身にて」

「ロマンがあいこくなの、へえ、ちっともわからない、どーゆー意味よ、さっぱりわかんない、お腹すいたのど乾いた、カップめんでも運ばせなさいよ、子分いるんでしょ」

「同志はおりますが子分はおりません」

「おんなじじゃん」

「お立場を退かれて、なんぼでもお好きになされませ」

「今の方が楽だもん退かない」

長引きそうだな。誰かの囁きが響き、黒オジさんはそちらの方にびりっと目を向けました。

すごい目だ、と、ジャムは、きっと、これがビビると言う・・が、ひでぇんかは平気。

間を置いて、やがて

「俗に申すに、まともに生きる天が下、なれば、お天道様とごはんは、付いて回ると」

「説教は嫌いなのよ私。本当は、いろんなこと何も解らないの、何聞いてもわからない、ただ、考えさせないで欲しいのよ」

・・・困りましたねえ。

黒オジは、本当に困っているみたいに、う~んとうなってぐるぐる首を回しました。

ひでぇんかは、脚が疲れたのか、片方ずつぶんぶん振り回し始めました。靴が一つ、飛んで、外国製のクッキーの、積み重なった袋たちの上に着地しました。

ひでぇんかは、けんけんして取りに行って、すぐに片足床についてしまい、靴を取って、床を歩いたままの足に、ひでぇんか様は、すぱん、と履いたのでした。

こうたいしろは、すこし立ち尽くしていましたが、何か気づいたように、周囲を取り囲んでいるSP??誰? 何? たちに、笑顔を振りまき始めています。

「わたしは平和を愛しております、誰と争ったことも無いです、負けるとイヤなものですね、帽子を取られたり、ええ、平和がいいです酒も飲めますからね、コツレンの総裁にもなっておりますしね、殴られるくらいなら、土下座ってもんをしてみても、ちっともかまわないではないかと常々考えておりますよ、ええ」

父の御代は、せんそうの無い時代でした。称揚すべきことだと、母が申しておりました。いつでも何でも母は、うまいこと申します、父の脳内、イコール、母の脳。これもまこと立派な。へらへらと嬉しそうにしゃべっているこうたいしろの、前髪の形が、なんだかとても不思議な感じになっていて。

ねえ。ちこくだめ。ぱぱ。気になるのか娘は、突っ立ったまま一層つよく、目が据わって来ているようです。

あと、10分無いぞ。

背後で声がします。


本日は冗長に過ぎた感が致します。

四月いっぱいで、なんとか着地できるのでしょうか。まあ、なんとか。次回は、雑子さんの身の回りに世話をしている、あのラテンな男性に、明るく放言してもらうことといたしましょうか。

・・・妃殿下の服薬量は、限度を超えているのではないかと思われます。笑っておられますが、お顔は大層に浮腫んでおられます。

ええ、これは、日本の国の、皇太子の妃を見ての感想です。

明日もブログを書く時間は、無いのでは、と思われます。少し残念ですが。


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最終更新日 : 2019-04-26

NoTitle * by アルジェリマン
KUONさま、緊迫感~!
ジャムやチーズの立場で読んでおります。
アンタには食われたくないわ、と首引っ込め、
でもどーなるザツコちゃん、と首伸ばし、
黒オジがんば!マルひっこめ!
笑いの発作はいつ出るの、今でしょ、
とか、脳内ザワザワしております。

NoTitle * by まめはな
近頃、雑子さんを見たくないのに目にしてしまう度、
「また太った」「さらに太った」と思っていました。
太ったんじゃなくて、むくんでたんですね。
身体に悪いこと、沢山しているのでしょう。
もう薬で抑えきれなくなって、国民の前に真実の姿をさらしてほしい。
そうして檻の付いた部屋に入れられてほしい。
でも、そうしたらお皿さんが、
「やはりアテクシでないと」
とか言って、しゃしゃり出て来るかしら。

NoTitle * by KUON
遅くなりました。

・アルジェリマンさん

こーゆー、きちんとしていて意地悪で賢くて皮肉屋さんで優しくもあってユーモアもある漢(おとこ)って、おられませんのやろか。なんて、言ってるワタシがアホ。(笑)。

<笑いの発作はいつ出るの、今でしょ、

<とか、脳内ザワザワしております。

この、今でしょ、の到来を、まあ、待っていると申しますか。今までよりはキャッチしやすい気がして。まさこさん、なんぼでもお笑い下さいませよ、って。(笑)。

・まめはな さん

この話に、お皿さんは出て来ておられませんので。

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NoTitle

KUONさま、緊迫感~!
ジャムやチーズの立場で読んでおります。
アンタには食われたくないわ、と首引っ込め、
でもどーなるザツコちゃん、と首伸ばし、
黒オジがんば!マルひっこめ!
笑いの発作はいつ出るの、今でしょ、
とか、脳内ザワザワしております。
2019-04-27-11:19 * アルジェリマン [ 返信 * 編集 ]

NoTitle

近頃、雑子さんを見たくないのに目にしてしまう度、
「また太った」「さらに太った」と思っていました。
太ったんじゃなくて、むくんでたんですね。
身体に悪いこと、沢山しているのでしょう。
もう薬で抑えきれなくなって、国民の前に真実の姿をさらしてほしい。
そうして檻の付いた部屋に入れられてほしい。
でも、そうしたらお皿さんが、
「やはりアテクシでないと」
とか言って、しゃしゃり出て来るかしら。
2019-04-27-11:59 * まめはな [ 返信 * 編集 ]

今も夢見る NoTitle

遅くなりました。

・アルジェリマンさん

こーゆー、きちんとしていて意地悪で賢くて皮肉屋さんで優しくもあってユーモアもある漢(おとこ)って、おられませんのやろか。なんて、言ってるワタシがアホ。(笑)。

<笑いの発作はいつ出るの、今でしょ、

<とか、脳内ザワザワしております。

この、今でしょ、の到来を、まあ、待っていると申しますか。今までよりはキャッチしやすい気がして。まさこさん、なんぼでもお笑い下さいませよ、って。(笑)。

・まめはな さん

この話に、お皿さんは出て来ておられませんので。
2019-05-09-20:15 * KUON [ 返信 * 編集 ]