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Top Page › 雑子のはなし・終章へ向かって › 明日は首を洗って
2019-04-29 (Mon) 22:27

明日は首を洗って



イメージ短歌

      身を散らし国を守りしひとびとの涙か元号の変わる日の雨        
                                   何茶手くおん の詠める


重い、苦い、眠りからの、重い苦い目覚め。

自分のベッドにいるのは判る。いつ着替えたかわからない服のままだとも、わかる。自分自身で不快なほど、臭いや。どす黒い夢の残渣や。ああそうだ、何より、あの男。初めは明るく軽快な異国人をよそおって、飲み物や食べ物を運んでいた、あの・・あの部屋は、いったい、どこだったのか。鎧戸の向こうに春の空が垣間見え、どこもここも白くて、清潔で、自由は与えられなかったが、封じ込められていた感はあったが、なんとか気楽な息をしていられたあの、部屋は、どうなったのか。

その前の記憶は、デパートの地下、食品街だった。わけのわからない変な日本語を喋る男が、自分たちを監禁して。自分に。雑子に対して、いいかげん好きな放題、言いたいことをいいまくり、批判し説教し、黙れと威嚇しても平チャラでいた、〇臣なども鼻先で転がされていた、バイコにだって説教した、自分で落とした物は拾えと。命令しておった、腹立たしかったアヤツは、あの後。どうなったのだったか。

いつも貸し切りにして買い物をする時の通路だったあの道から、車を回させて、帰るつもりだった。多くの誰だったかを待たせていたように思う、中華を食べに行く手はずで。その後は酒の場へ。そうだ、バイコの気に入りの「ノビタ」君の、両親も呼んでいたのだった、バイコには友達がいなくて。ノビタ君のことは気に入っていたのだ、運動会で一緒にダンスしていたし、腕を恋人つなぎにからませてキゲンのいい二人を、連れて、遊びに連れて行ったこともあった、いや、それは、バイコがもっと幼かった頃だ、ではいったい、あの日バイコが、遅刻をおそれて焦って、デパートのジャムの棚を、がんがらがっちゃ~ん、とやってしまったのは、では、では、いつのことだったのだ?。

どうやって帰ったのだ?帰ったのなら、なぜ、あの白い部屋にいたのだ? どの時間がどう、歪んでいるのだ? 雑子にはわからない。

いや。もしかして分かっている。薬のせいだ。そう思っている。いろんな種類の薬を、どうしようもなくなればそれをとにかく抑えるために、使い続けて。初めは懇切に聞いてくれた医者たちも、自分の処方以外の薬を、自力で取り寄せて使わないでいられない雑子と知ると、一歩、二歩と、後ずさった。責任をとりかねますと逃げ口上うまく離れて行った。その不安と腹立ちとで、さらに不眠がひどくなったり、眠れたと思えば覚醒できなくなったり。どうしてもマルの傍にいなくならないような時に、どこかの壇上で居眠りが出たり。いきなり周囲が真っ白に光り輝いて、アタマの芯がむずがゆくなって、笑い出さずにいられなくなったり、笑いが止まらなくなったり。

で、今はいったい、本当は、いつなのだろう。

いつからここで眠っていたのか、どの夢が雑子の、本当の夢なのか。

今日くらいは一度、シャワーを浴びて、顔を洗いたい気がする。歯も磨きたい。

歯。歯、か。あの異国の男は、ひどいことを言った。ものすごくひどい事を。

歯並びだけで、ワタシの国ではアナタを、高貴な女性とは見ませんですね。自分は、真っ白な作り物のような固そうなよく揃った歯並びを、ずらりと見せてあの男は言った、笑った。

いきなりの言葉に雑子は、ベッドの上でとっていた朝食の茹で卵を、いっこ丸ごと、飲み下してしまったのだった。

「のっぽんの人々は、呑気と言うかいいかげんと言うか、思っていても口に出さない、でも、あなたの歯並びはひどい、ワタシの国ならそう言われる」

なんだか急に居丈高になって鼻先で笑った、雑子は奥歯を食いしばった・・悔しくて・・でも奥歯は、抜けたままの数本もあって、なかなか充実してはいないのだ。オ母サマガ、歯ノ矯正ハ省の経費デ落トセナカッタカラト言ッテラシタ、ワタシノセイデハナイワ。五十歳をこえた雑子は、そう思って無言を通した。言い返してやりたくもあったのだが、白い肌と金色の髪とを前にすると、ジンカクが変わる。それは本当のことなのである。

雑子の無言で調子に乗ったのか、単にご飯を運んで来る係の筈の白人男は、そこから、ありとあらゆる雑言を、投げつけて来たのだった。

のっぽん国の民族衣装を着こなせない。ふつーの服を着てもだらしない。

日時の約束を守れない果たせない。「ドタデ」「ドタキャン」のヒトと呼ばれている。

母国語を普通に話せない。かといって、グロウバルな他国の言葉もつかえない。「オウ、シュワー」「ライク・ユー」程度しか話せない。しかし数か国語が堪能、と嘘こいて結婚した。ついでに言いますと、ハバド卒業は偽り。ラドkリフでした。東大卒も偽り。父親の引きで数か月滞在、出て来られたのみ。国費留学でオクスフォド留学、においては、一人だけ一単位も取得できずの帰国をなされた。バリバリの外交官であった時代は、ふふ、あったのでしたか?、NO、でしたね。

ムカシのオトコが数人、非業の死を遂げている。無事な男の一人は、何も知らぬ顔でテレビに出ている。

「ワタシの友人の一人は、そのY氏を見るたびに喜んで、わ~、ひでぇんかの昔のオトコが、マジメ顔で難しい話してるわ~、っと、拍手してるのでありますよ」


とかイロイロありますが、と。呆然としている雑子を、冷たい目で見下ろして金髪碧眼のヒゲ男は、ソファに掛けて足を組んだ。失礼ではありませんか。雑子は言ってみた。ふふん、と相手は笑うのみ。

「失礼とは思いませんね。アナタは、私の国の国王を歓迎する晩餐会に、イミテーションの宝冠を乗っけて現れたですね。一目でわかるペラペラの。堂々とレプリカとも呼べないレベルのティアラをかぶって現れた。ワタシの国では、アナタを、ロイヤルとは認めておりませんよ、いや、それ以前から」

わが国はダイヤモンドを多く産出する国、宝飾品を見る目は確かです。その国王の前にね。男は、煙草のごときものをくわえて、うまそうにぷは~、っと、ふかした。雑子もそれを欲しかった。欲しいが、言えない。タバコ一本下さいって、ここで、言えるだろうか。

「あなただけのせいではない、玩具みたいな宝冠を戴くあなたを、そのままにしてあった、周囲の方々もおかしい、あなたの夫君は当然おかしい、ご自分のウィッグの貧相さも限度を超えています。まともではないのですよ、あなたの夫、夫の両親、わたしども、知らない顔で接してはおりますけれどね、まともではない」。

「さしあげませんよ。わが国では合法ですが、のっぽん国では認められていないのです、これは。それに、あなたには、何もあげたくない」。

・・どういう意味だろうか。

「あなた、自分の子どもたち、皆、どこにどうしているか、ご存じないね」

男は、トランプのカードのように、何枚もの写真を両手に器用に拡げて見せた。

「これ、子どもの広場のバイコさん。細くて活発なお子ね。次は、お国の文字の得意で上手なバイコさん。こちらは、運動会でガッツポーズしているバイコさん、私の国ではこの方が、本物のプリンセスかと」。

雑子も忘れている、というか、アタマの中でのファイリングがうまく進んでいないままの何人もの女の子の写真を、馬鹿にし男が、ほれほれと、あおって見せる。

「このお子は、頭蓋骨の奥行きが目立って浅い、下顎が突き出ている、その上、人と愛想よく接することが出来て、結果的に、たいへん、品が無い。   こちらのお子は、なんでかな~、がりがりに痩せていますね、人相まったく違いますよ、しかしマル殿下、にったにたと顔見合わせて笑っていますね~」

「・・・」

「かと思えばたった一年で何もかもが変化してしまったぽっちゃりな子を、並ばせて、親子ですよ~の写真撮らせて」

次々に男は、言われて見れば一緒に駅頭で手を振ったり、映画の試写会の会場で久しぶりに会って、親子で~と横並びで・・あああ、なんでこんなこと、されているのだろう、私は。雑子の頭が、万力でキリキリと、〆上げられる。

「・・どうして私に、そんなもの見せて、嫌がらせをするの」

ようやく声を絞り出した。そんなことしないで。私が何をしたっていうの。

「人をだましましたね、あなたたち夫婦は。しかも子どもを使って」

「確かに一人はいた本当のお子さんを、どうしましたか。どう扱ったか。沢山のダミーは、何の為でしたか。ハキハキ返事をさせるため? たったと歩かせるため? スキーがうまいと想わせるため? つまり男系男子でつまり繋いでゆくことを定めとしているこの国の、たいせつな嗣子を押しのけて、すべてをワタクシする邪心、野望、心得違いの果てのため?どれもみな、間違っていますね。冒涜です」

神への冒涜。娘さんへの冒涜。信じさせられてきた国の方々への冒涜。恐ろしいと思いませんか、平気なこと、それ自体が人としての冒涜ですよ。

・・・この男もまた、私を、責めるのだ。雑子は堪らない。なんで、どうして、このような目に遭わされるのだ。私が何をしたというのだ。この男は何なのだ、何の権利があって私を責める。

「あなたの神なんか、私は知らない。あなたの神って、義母の信じる神なんでしょ。私のは違いますよ。私は神なんかどうでもいい、わからない、私は、神の名前で責められたりしたくないだけなのよ」

「おおう、何と。あなたは神官の。神道の長の家の長男の妻でしたね、たしか。それが、そう、仰せか」

「そんなこと意識しなかった、ただ、あの家に嫁げば、家族皆のためになると」

「拝金教の方々が、押し込んだ」

「神だの仏だの、信じようと思ったこと無いわ、でも義母の神さまって、神道でないの、それは知ってる」

「あなたの義母の神は、それも私には、全く異質のものと認識されます。違います」

白い肌の男は、きっぱりと言い切った。

違う。あなたの夫の母親には、神など存在していない。

「ミテコさまの神は、サタンです」

はああああ?。サタン。何なのよ、それ。

もう雑子には、理解できない。雑子は何もわかりたくない。ああだこうだと言われたくない、それだけなのだ。

「どうしてこんなに重いのよ」

「あなたに負いきれないものを、手放さないで来たから。無理だったのですよ、初めから。あなたはふさわしくなかったのです、それで、娘さんさえ不幸にした。不幸ですよ、あなたのお子さんは。とても不幸です。今どこで、どうしているか、ご存じないのでしょう」

「あの子も私を不幸にしたんじゃないの」

雑子は大声を出した。あの子が。バイコが、あの子でなかったら。こんなに苦しくはなかった。辛くはなかった。なのに。

「あなたは、ひでぇんか、あの娘さんを、一心に、またない存在として、愛されればそれだけで、よろしかったのですよ」

男も大声を出した。

「あなたに授かったお子さまを、愛して、抱きしめて、お育てになられればよかったのです、何をなさらなくてもそれだけでよかったのです、そうだったら、心ある人々は受け止めて、受け入れて、思いを同じくされたのでしょうに」

あなたたちち夫婦は逃げた。周囲も悪かった。それがのっぽん国のロイヤルであると、情けない惨めな話です。

申し遅れましたが、ワタクシはプリンス・ジュッテ。欧州のすべての王国と血統つながりのある、のっぽん国への言語留学生の一員です。

のっぽん国の、一つの区切りを迎えると言う儀式の、間近に迫ったこの時、はじめは、ほんの好奇心によって、この計画に参加しました。あいこく氏にお誘いをいただきましてね。

失礼なことも、あったかも知れません。ひでぇんかに対して。しかし。

ロイヤルの周辺の者共が、勝手にお宝を持ち出して競売にかける。動画も画像も検証も、詳細に出回ってなお、問題視されない。

ロイヤルの嗣子の娘が、何人も用意されて・・と、ワタクシは信じているのでありますが・・粗雑なレプリカのお嬢さんがたの動画や画像が出回ってなお、社会的な問題にならない。

こんなにも不出来な後継者夫婦のありようが、いたずらに擁護されて問題視ならず、即位にまで漕ぎつけるとい茶番。惨状。

よくぞこの数十年、この国は国家の態を保ち得たと。

感心致している次第ですよ。まことに。

ワタクシの母の出ました王国は既に無し。ほかあれこれと、

いや。明日がございます。明日、また。明日こそは、お顔も、そしてお首も、丁寧にお洗いあそばす日に、なられましょう、雑子ひでぇんか。


   このドタバタやっつけ話は、おそらく明日には終わりを遂げるでしょう。
        進展を遂げることも無いままに。     戯作者   KUON



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最終更新日 : 2019-04-30

眠れぬ夜 * by 雪灯り
冒頭の短歌、ありがとうございます。

サタン。
ここのところ、思わず唸りそうでした。

悪夢であればと思いながら当日を迎えることになりそうです。

NoTitle * by アルジェリマン
サタン、ああなるほどガッテンです。

今日は雨、庭の草取りもできないので、
本を読んで過ごします。
テレビ? もちろん見ません。

夢見る人々の平和ぼけ、情弱ぶり、
まさか国を滅ぼす瀬戸際に来ているとは。
サタンの計画の、仕上げが今日と明日でしたか...。

以前、こちらで紹介されていた… * by まーきち
「徳川おてんば姫」を最近、読み終えて。

良い本をご紹介頂きありがとうございます(感謝)。

著者の井手久美子さんのおっしゃられる言葉の一つ々が、昨今の高貴(?)な方々とはあまりにもかけ離れていることに、私ごときがついてもしかたのないため息が沢山わいてくるのでした。

東海の海辺の街で、冷たい雨の降りしきる季節はずれの寒さに身を縮こませております。

NoTitle * by KUON
遅くなりました。

・雪灯りさん

いっとき付き合いのあった女性が、普通の顔して仰っていたのです。「美智子さんは皇室をキリスト教にするためにおられるんですよ」と。天皇はやはり、日本のある種の中心なので、一応クリスチャンは大事にしている、と。驚きはしませんでしたが、世界の中心は自分たちだ、という匂いがイヤで、あの一神教は苦手。他の機会に付き合いは断ちました。平気だったのがすごいな~、と。

美智子さんには悪魔のひらめきも無く、貧相なおばあさんになられましたね。膝の出たズボンでテニスクラブに来ていた姿見て、もう何をかいわんや。

・アルジェリマンさん

このあたりの日から私は、ひねくれ者のヒコクミンかと。どこか呆然とした気分でした。でもまあ、これも、新しくできたラーメン屋の行列に加わりたい方々と変わらん現象やろなア、とも横目で見つつ。

きっと、言いたいこと思うこと、同じ。そう思います。

・まーきち さん

あの本おもしろかったでしょう? 本当のお姫様の面目躍如。爽快でしたね。

佐賀侯爵家から海の向こうへ嫁がれた愛新覚羅浩さんの本は、正直、後半に俗臭がぷんぷんして。芸能人大好き、のおばさまみたいな面が見えて。でもそれでも、稀有な経験をされた日本のお姫さんの旅路の凄まじさが知れて、うなりました。「流転の王妃」というタイトルです。おすすめするのではないですが、この話題が出ましたので・・・

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眠れぬ夜

冒頭の短歌、ありがとうございます。

サタン。
ここのところ、思わず唸りそうでした。

悪夢であればと思いながら当日を迎えることになりそうです。
2019-04-30-02:32 * 雪灯り [ 返信 * 編集 ]

NoTitle

サタン、ああなるほどガッテンです。

今日は雨、庭の草取りもできないので、
本を読んで過ごします。
テレビ? もちろん見ません。

夢見る人々の平和ぼけ、情弱ぶり、
まさか国を滅ぼす瀬戸際に来ているとは。
サタンの計画の、仕上げが今日と明日でしたか...。
2019-04-30-09:47 * アルジェリマン [ 返信 * 編集 ]

以前、こちらで紹介されていた…

「徳川おてんば姫」を最近、読み終えて。

良い本をご紹介頂きありがとうございます(感謝)。

著者の井手久美子さんのおっしゃられる言葉の一つ々が、昨今の高貴(?)な方々とはあまりにもかけ離れていることに、私ごときがついてもしかたのないため息が沢山わいてくるのでした。

東海の海辺の街で、冷たい雨の降りしきる季節はずれの寒さに身を縮こませております。
2019-04-30-14:05 * まーきち [ 返信 * 編集 ]

今も夢見る NoTitle

遅くなりました。

・雪灯りさん

いっとき付き合いのあった女性が、普通の顔して仰っていたのです。「美智子さんは皇室をキリスト教にするためにおられるんですよ」と。天皇はやはり、日本のある種の中心なので、一応クリスチャンは大事にしている、と。驚きはしませんでしたが、世界の中心は自分たちだ、という匂いがイヤで、あの一神教は苦手。他の機会に付き合いは断ちました。平気だったのがすごいな~、と。

美智子さんには悪魔のひらめきも無く、貧相なおばあさんになられましたね。膝の出たズボンでテニスクラブに来ていた姿見て、もう何をかいわんや。

・アルジェリマンさん

このあたりの日から私は、ひねくれ者のヒコクミンかと。どこか呆然とした気分でした。でもまあ、これも、新しくできたラーメン屋の行列に加わりたい方々と変わらん現象やろなア、とも横目で見つつ。

きっと、言いたいこと思うこと、同じ。そう思います。

・まーきち さん

あの本おもしろかったでしょう? 本当のお姫様の面目躍如。爽快でしたね。

佐賀侯爵家から海の向こうへ嫁がれた愛新覚羅浩さんの本は、正直、後半に俗臭がぷんぷんして。芸能人大好き、のおばさまみたいな面が見えて。でもそれでも、稀有な経験をされた日本のお姫さんの旅路の凄まじさが知れて、うなりました。「流転の王妃」というタイトルです。おすすめするのではないですが、この話題が出ましたので・・・
2019-05-09-20:36 * KUON [ 返信 * 編集 ]