おべんきょう Ⅱ
この色が詠草。この色が詠み人さんの名前。詠み人さんからのメッセージ、詞書など。この色はKUONが書いている部分です。
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かりそめ
*ひとり行く夜道に人の群れ座る足を止めれば紫陽花の毬
想像して、おお、なんと、と。大きな紫陽花、みっしりと丸く咲いていて。
*知らぬ地の住所濡らせば届かざらむポストを傘に入れ投函す
非常に細かいことですが。「濡らせば」でよろしいのですが、例えば「濡らさば」ですと、濡らしてしまったりしたら、と、ここに詠われた気遣いの、奥が深くなる気が・・・ワタシには。。。します。
*電飾のやうに杏の実が灯る落ちても割れぬ小さき(ちさき)電球
恥ずかしながら「杏の実」を、すぐにはイメージできなくて、調べに行きました。ホントに、そういう、いじらし可愛い実でした。
*先生に杏林を教へしは去年(こぞ)のこととは 月日は速し
先生に教えてさしあげられることも、あるんだ・・喜んで下さったのでしょうね。少し前に詠まれた「先生」でしょうか・・・。
*画面には「俺の知らない俺」なんて素敵な歌を歌ふ青年
聴いて下さりありがとうございました。このセイネンは、アルバイトしたかったのに、近所の「ジョ〇フル」で雇ってもらえなかったと。またそんな歌も出来て来るのでしょう。(笑)。
温泉郷
哲学の道を歩めば水面には蛍光れり声を潜める
日本ならでは、この季ならではの情景です。哲学の道、との設定も素敵です。このままで充分、すてきな一首ですが、「水面(みなも)には」ここ。五音で申し分ないのです、もう一歩押して。「水の面に」=みずのもに}として、「は」を除くと、説明的な感が無くなって、蛍の光る水面そのものが、クローズアップされる・・・と、書いてしまいましたよぉ。
音もなく蛍飛びをり幽かなる光のリズム命を刻む
幽玄の美の世界。これも素敵な一首、お好みもありますが、「飛び」をり、と「舞い」をり、の感じを比べてみて・・それと、「をり」でなく、現代仮名遣いなので「おり」と統一されたらいいと思います。「をり」って、ちょっといいなと思いますよね。
観光の外人席を占領す通勤中の我らは立ちて
ねえ・・。現代にっぽんの、朝の在り方ですねえ・・うまくまとめられました。ほんま。
京都にもじょーこーごーが現れた未練がましく報道させて
現れた、って。どはははは。新刊の妖怪大辞典の3ページ目くらいに、その御尊顔の拝見出来そうな。
ただ思いますに、ご本人の思惑からは低く外れた報道の気もします。もう皆さん、お腹いっぱいなのでしょう。やはり明るいものを見たいのですよ、きっと。私はもう、拝したくないですから。
黒猫アビ
・梅雨の中紫陽花の花いきいきと
散歩の足を止めてながめる
季節の風情を素直に、自然体で詠んでおられます。目に見えるうたになっています。
「梅雨の中」は、梅雨、というのは「状態」なのであるし、梅雨と紫陽花はベストマッチであり、言わずもわかることでもあり、シンプルに「雨のなか紫陽花の花いきいきと」にされたらいかがでしょう。
・部屋のなか温度と湿度確認し
暮らす梅雨時身体にこたへ
うたい方、歌材が具体的になって来られ、お上手になられました。
「部屋のなか」は、部屋内の、とされませんか。へやうち。へやぬち、と読んだりもします。
・窓開けて雀のさえずりききながら
その日の予定のんびりこなす
「のんびりこなす」がいいですね。雀がさえずっているのだから、お天気、悪くはないのでしょう。私も「今日の予定、いけた、おーけー」など、指さし確認したりしています。
・・・すみません。今日はどうやら、ここまでで。また明日、書かせていただきます!。