背番号9番。
ファフ・デクラーク。ラグビー選手なんです、南アフリカの選手。身長、公称172センチだとか。
大男ばかり、ラグビーって。それがぶつかって倒れて潰されて走って蹴って倒れこんで、の中で、子どもみたいなデクラークは、いつも自分の位置にいて。いつもボールを掴み上げていた、いつもボールの傍にいた。時に巨岩みたいな相手選手の胸倉つかみ、時にえへへ、の笑顔でいなして、とにかく、どの試合もどの試合にも、身軽そうな小さなからだで(でも90キロ近い)、金髪ふぁさふぁさ、走り回っていた。背番号9番。
わたし、9番ばかり見ていました。吹っ飛ばされたり下敷きになっていたり、でかい仲間の背中、張り倒していたり、アタマ撫でられたり、していた。そんなSHを、追いかけていました。
え。そゆの、邪道なんですか。邪道でもいいの、楽しかった。素晴らしかった。