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2019-12-06 (Fri) 20:33

マサヒサさん



今日とどいた喪中はがき。

奈良で、互いの子らが小さかった時、どちらかの子が熱を出したら預け合い、時に学校や園の行事の済んだ後に上がり込んでお茶を楽しんだりしたYさん。彼女は紅茶党で、すてきなガラスのポットで、香りの高い紅茶を出してくれた。私はガラガラとミルを回して豆を挽き、おいしいのかそうでないのか、よくはわからない濃いコーヒーを淹れ、あ~ゆっくりするわね~、などと、足を伸ばして、たあいのない話をした。子どもたちは周りで、ダンゴになって遊んでいたし。

賀状だけはずっと交換していた。その彼女の賀状欠礼の文面に、お父さまが九十二歳で、とあった。

よく話を聞かされた。二人姉妹の長女であるYさんは、父親に愛されている娘だった。私にはそれがビンビンと伝わっていたのだが、そういう父親をあたりまえに持っている彼女には、父親の無い私の,父性への偏愛じみた憧れは、ピンと来ていなかったようだ。

マサヒサさん。彼女は父親を、そう呼んでいた。母親のことも〇子さん、と呼んでいた。母親とは意志の疎通ができにくい関係であることも、話していた。私の目には、ときどき娘の家に悠々と滞在していたお洒落で美人で時間にとてもルーズだったお母さんは、ステキで、仲もよさそうに見えていたが。

一度会いたいわねと言いながら、長く会っていない。今は夫さんと二人暮らし、単なる同居人だという彼女は、どんな思いでこのハガキを書いただろう。「マサヒサさん」がこの世にいなくなって、自分に対してどんな思いを注いでくれた父親だったことかと、感じているだろうか。

私は羨ましかった。そんなお父さんのいる彼女が。

会ってお悔みなど口にしたら、あはは、持ち前のきょとんとした表情で、うん、まあねえ、そうなのよ~、と、他人事みたいに話すのだろうか。


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最終更新日 : 2019-12-06

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