墓じまい、などの話題。
びっくりしました。どんな思いでいられただろうと想像してみても、あんな稲光や落雷に遭遇したことが無く。不謹慎な申しようながら、夏の始めからずっと、日替わりで異様な気象に遭っている気がしています。
ちびまるこちゃんの作者の53歳での死にも驚きました。娘たちが読みたがっていたので、毎月掲載紙を買い与え、単行本もほぼすべて買い、母親だった私も一緒にあのまんがを読んでいました。テレビアニメになったものは観ていません。テレビのアニメは好きでない・・と、どこへでも強引に自分の好みを口にしないでいられない、この性分。

ご両親に先立たれたのではないよね、息子さんもまだ若い、など、そちらの方面に気が回りました。53歳。信長の時代ではない、いま。もったいないな、の思いが、強いです。長い間の闘病生活だった、とも。
墓のことを書こうとしていたのです。さくらももこさんと同年代である、漫画家の西原理恵子。そのサイバラが、最新の新聞漫画で、墓じまいについて描いていた。四国在住のお兄ちゃんが来て、というフリでした。サイバラの出している本は、漏らさずすべて、買っています、でも、引っ越しの時に置いて来てしまったものもある・・「ちくろ幼稚園」「ユンボ君」「アジアパー伝」など。かなりの量。
奈良の家のリビングの本棚に並べてくれているのを、前回帰った時に見ました。
孫娘が読んでくれるといいな、「アジアパー伝」。
サイバラとお兄ちゃんは、仲のいい兄妹、いろんな中を、ぐわぁあっと通り抜けて来たようで、お兄ちゃんとその奥さんは、子連れでアル中のだんなとの修羅場を生きながら漫画の仕事を絶対として続けていたサイバラを、ずいぶん、助けてくれたようです。
サイバラは、実の父親は、お腹の中にサイバラのいる妻と離婚の後、酔っぱらって溝に落ちて死んだ、というはじまり。母親の再婚相手の義理父は、彼女をとても可愛がり、理解してくれる人であったが、ばくちと酒に身を持ち崩して、サイバラが貯めていたお年玉等の貯金を最後、持ちだして「最後の勝負」に賭け、とうぜん、負け、サイバラの大学の入試の日に、首を吊って死んだという、本人いわくズブズブのくず。お母さんは苦労され、ちょっと子守を手伝いに来て、と頼まれてそのまま、娘の家、東京にいついてしまった、という風に、紹介されています。綺麗なお母さんです。
さて、いつもながら前振りの長いKUON(笑)。新聞漫画に移行しましょ。
お兄ちゃんと、墓じまいの話になった。お兄ちゃんは、
「うちは子ども、大きくなったし、どこへ行くやら知れん」
と言う、妹うなずき、
「うちも、外国へ行くかもわからん」
ビール飲みながらの兄妹談義のようです。この兄妹の母親、九十歳前後(だと思う)のお母さんは、もとは土佐の漁師の娘。暮らしぶりが落ち着いて来られた頃に、故郷の海の見えるあたりに、自分の墓を建てられた、と。かなり以前のサイバラ漫画に描かれていました。
自分はここに眠る、自分の落ち着き先だ、と。
兄妹の会話は続く。お互い、男の子と女の子が一人ずついて、学校を出てしまったりもう少しだったり。その子たちに、祖母の墓は見させられないよね、と、兄も妹も話しています。
自分たちは母親の墓を見てやれるけど、自分の子どもたちには、おばあちゃんの墓をみさせられない、と。
西原理恵子は、戦場カメラマンだった夫と、離婚した後、懸命にアル中を克服して「戻って来た」元・夫が、アル中からは逃れられたのに、癌に侵されて。余命わずかになった元・夫と、二人の子どもと(いろいろあり過ぎて娘の復縁には断固、反対だった母親も少しまぜて)、最後の家族としての半年間を大切に過ごしました。
やっと初めに好きになった彼、に戻ってくれた、子どもたちを強烈に愛おしむ父親としてそばにいてくれるようになった、その元・夫を、最後まで看取って。
世界中をカメラを抱えて走り回った元・夫、鴨志田穣の遺骨を入れた瓶を持って、二人の子どもと共に、いろんな国へ行って、いろんな国に、少しずつ、遺骨を撒いて回った。・・たぶん、鴨ちゃんの墓は無いのでは、少なくともまだ、と、勝手に私は考えているのですが。
兄に向って妹は、自分たちの子どもらには、おばあちゃんの墓まで見させられないよね、みたいに言い、墓じまいについてなど、匂わせる。ここからが、サイバラ漫画の個性的なところ。サイバラ大好き、と思わせるところ。
いいや、と、お兄ちゃんは、激烈な顔になる(どんな顔や・・・)。ばあさんの墓じまいは要らん、と。
「何年に一度」と、お兄ちゃんは言う。「あのへんは」と言う。
大きい台風と大きい波が来る。お兄ちゃんは言う。妹、かたづを呑んで兄ちゃんの次の言葉を待っている。
そいで、ぜ~んぶ、さろうて行ってくれゆうきに。
・・・そこで漫画は終わります。
ホントは、このお盆に婚家の墓詣りの折に見た、新しいお墓の誕生の場面と、舅の弟さん(夫の叔父)の墓じまいが、強引になされていたことについて、書くつもりだったのですが。ついつい、ここまで来てしまいました、今日はこれにて失礼いたします。
さくらももこさん、作品はずっとずっと、残りますね。やすらけく、お眠り下さい・・・。