睦月のおべんきょう Ⅲ
こんばんは。続けさせていただきます。今日は歯医者さんで、一時間。その一時間の内容といったら。
ううう。痛かったよお・・・お上手で優しくていい先生なんですけどね。ワタシの歯が、根っこごとずれて・・あ、やめます。
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かりそめ
*みづからも人もあやめず今ここに万両の実の艶を愛でゐる
(一読、けっこうショッキングでした。フツーの顔して、こんな風に詠まれる。万両の実の艶を、と。ここは万両のあの赤い実でないと。雪の兎の赤いお目目にだけ、なるのではないんですよね。
*術前の麻酔にすぐに意識消ゆ かく逝くもよし花の昼なら
(麻酔は人工の死、ですよね。西行のうたを思いましたが、西行さんは(顰蹙かうかな)もうすこし呑気な気がします。オトコで、坊主だもんな。あ、内緒ですよ、ここ。
*よくもまあ四十余年も連れ添ひし夫婦の修羅はたぶんなきまま
(夫婦の修羅は「たぶん}なきまま。この「多分」がクセモノ。
*しばらくは不要であれよ遺言書 夫婦それぞれ同じ文言
(う~ん。そうなんですか・・・。。かなりいい色に黄ばんで来るまで、そのままで、ね。
*羨(とも)しきは心打つ詩を紡ぐ人 カネ美貌などなにを今さら
*戦中派に苦労知らずと言はれても色合ひ違ふ苦労は言はず
(ご自分がなさった「苦労」を、いちばんすごくて何より大変だったと強弁する方。もう黙っているしかない、みたいな。まことの地獄見た人は、けっこう黙っておられると思います。この一首、ホントにそうよね、と、肩ポンとしたい。
*思ひきり豆を打たうぞ今年こそ千代田辺りの穢れ払はむ
(そうです。ドヨ~ンと冷めた鬼饅頭みたいな顔みっつ、揃えられても、げんなりするばかり。心して鬼やらい、いたしましょうぞ。
ギボウシ
・春嵐 荒(すさ)ぶ睦月の高き空を 翔んで回るや 君の御魂は
<松明けまで粘り抜いた亡友に、BGMは円広志で♫>
(円広志、ですか。明るい、突き抜ける歌声ですね。飛んで飛んで飛んで、回って回って・・。苦しいなか、粘り抜いた、と、ねぎらわれておられるお友達。身軽になって解放されて。
このままで充分ですが、あえて「高きっそれを」は「高空を」にされると軽快さが増します。
・溌溂たるレジの笑顔を奪いしは たった一人のクレーマーかも
<行きつけのスーパー>
(イヤな渡世だなあ・・と、つぶやきたくなるような。クレーマーにはクレーマーの孤独、とも言いますが、弱い方へ向けるなよ、マイナスの気持ちを、と言いたくなる。
・手に取った 買いっぱなしの歎異抄 君なき胸の裂け目に沁みる
<五木寛之の「私訳」ですが…>
・言の葉にのせた調べに浮かび来る異国の窓辺 故郷に似て
<ビリー・コリンズの朗読を聴いて>
(その「ビリーさん」今から調べてみますね。
もう少し進みたいのですが、歯が(はぐきが)痛くなってくる予感。ぶるぶる。痛み止め吞んで、もう寝ちゃうよ寝ちゃうよ。
気絶するみたいに眠らせてくれるクスリ大好き。感謝。おそらく30分後には、ぽや~っといい気分で、あと三行、とか楽しく睡魔に抗いながら、いざ目をつむる瞬間を待っていることでしょう。
おやすみなさいませ。