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千人針

明日は母の亡くなった日です。十四回目の命日。

なんとなくあれこれ、思い出していて。ふと。

母は五黄の寅、という最強の(といわれます)干支のもとに生まれていました。確かに気は強かった。

その母がある時、あ、思い出した、みたいに語ったことに。

「わたしも寅。あんたも寅。これでもう一人、虎がおったら、千人針でお役に立てかもわからんにね。うちには一人足りんわね、」

戦時中母は、何人もの人に、沢山の人に、千人針を頼まれたらしいです。。寅年の中でも殊に強いという五黄の寅。普通の女性はひと針ずつしか縫い目を作れないが、母の干支では、年齢の数だけ縫い目を作ることができたそうで。白い晒の布に、赤い糸で針を入れて、ほつれないように玉をつくる。戦争中、三十代だった母は、持ち込まれた晒に一所懸命に針を入れ、玉でとめた。外で呼び止められて布を受け取り、寅年と言うと感謝されて、

「よおけ、縫ったげた」

と言っていました。身近な男性たちが出征するときに、その晒を身につけさせて見送ったのが、千人針。町なかのあちこちに、ひと針なりと、と見知らぬ女性にも頭を下げる女性たちが立っておられたということでした。

自分の知る限り、千人針の晒が帰って来たという話は、聞いたことが無いと、母は、言っていましたっけ。

深刻になる一方の戦況に、どうする術も持たない女性たちが、伝わっているように弾除けになれかし、と集めた千人針。

なぜ、今日、そのことを、母の話を思い浮かべたのか。

・・・千人針。いま、理不尽な新型コロナウイルスとやらに、どうも何もできないでいる自分。なにかできることは無いのか、との気の乱れが、こんなことを思い出させたのでしょうか。



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今も夢見る
Posted by今も夢見る

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