ああ皐月
ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す
君も雛罌粟 われも雛罌粟
ああさつき ふらんすの野は 火の色す 君もコクリコ
われもコクリコ
与謝野 晶子
コクリコって、ひなげし。ポピーのことです。
茉莉茉莉
No Subject
日本人は、フランスを仏蘭西と、よく当て嵌めたなぁ。
日本語は漢字とひらがなのバランスがいい。文章が読みやすいし、理解しやすい。
中国の漢字だらけの文章は、字面が呪術的で重く鬱陶しい。
韓国のハングル文字は、生理的に不快に感じて、美的じゃなくイヤ。
与謝野晶子の短歌、調べが美しいですね。
子供を何人も産んだ後なのに、旦那さまの事を、恋愛真最中の恋人のように、よく瑞々しく詠えましたね。
ラピスラズリ
コクリコ幻想
情熱的な歌ですね。
熱愛中の恋人ならともかく夫に対してこのような歌を詠めることが凄いです。
"仏蘭西の野は火のいろす"で"山が燃える...あなたと越えたい天城越え"の一節が思い浮かびました。
まぶたの中の色をこう表現するのは凄いと思いました。
コクリコ、ひなげし、ポピー、虞美人草ともいうのを初めて知りました。
ポピーといえばモネのポピー畑の絵が浮かびます。
一面のポピー畑野仲を並んで下りてくる一組の親子。モネの妻と息子と知りました。
この親子は有名な日傘を差した絵の中にも遺しています。
妻カミーユは次男を産んで間もなく結核で32歳の若さで亡くなったそうです。
薄幸なその後を知って絵を見ると胸を打ちます。
一面の花畑というと頭に浮かぶのはみかんの花咲く丘のあの歌詞とメロディーでしょうか。母さんと並んで見たのは昔で今は一人で見ているのですね。
No Subject
・茉莉茉莉さん
晶子は、たしか10人以上お子さんがあった。洗濯機も食洗器も無いなか、それだけの子を産み、育てた、それしながらお金をたくさん頂ける屏風や衝立を書いた、美しい文字で。
言ってしまいますが、鉄幹のどこが良かったのでしょ(ナイショ)。晶子に、けっこう好きなようにさせてくれたのが良かったのかな。この歌の「君」を、晶子は、目をつむって、その時に思い描けるほどの「自分のおとこ」を描いたのかも。それくらいのことはしますでしょ。
あの当時の、思い切り力のこもったうたの中には、へきえきのものもありますが(ははエラソー)色彩感覚、さあ行くぞ~の高揚感、普通の女性とは違いますね。
私も日本語、大好きです。
・ラピスラズリさん
与謝野晶子はお嬢さん育ち。封建的な時代といえど、大きな商家の娘、本当の本物の中で育っています。それが大きいと思います。普通に本物の中にいた、ということが。
この一首の「君」は、なんとも魅力的ですが、別に本物の鉄幹氏でなくてもいい。絢爛な歌にはまってくれるなら、いい。
あたまのなかで、現実とは異なる「君」を描いてみるって、難しいことではなかったと、思うのです。
絵も、いいですね。花もいい、日本語は美しい。