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九月のうた



     アルジェリマン

稲を超えヒレタゴボウの黄花咲く 豪雨続きに田は荒れ果てて

涼風に蚊取り線香並べ立て草抜きするは秋の楽しみ

黒犬の掘りし木陰の穴うめる 松葉ボウキの筋目涼しげ

大雨に打たれ続けし我が庭にお礼の施肥す 秋彼岸入り


清げなる空き家の高き百日紅 古木の姿夕焼けに映ゆ

その庭は塵ひとつなく清げなり 空き家なれども輝いてをり

     かりそめ

*カメラにて裏見の滝を切り取れば透き通りゐる星雲のやう

*雲切れて金星燦と尖りゐる ロートの底に立ちをる心地

*挨拶に九月なかばの暑さ言ふ秋の模様の雲には触れず

*葡萄棚しづくのやうに実を垂るる 四つ足歩行ためしてみむか

*若者の不安貧窮かろやかに歌になしたり丸き文字に

*歌にさへ季節も恋もなくなりて感情だけが浮遊してゐる

     まめはな

・健やかな人は幸せなりしかな我が症状を無邪気に笑う

・意地悪やわがままなどではありません心の病の症状なのです

・似てるよね心の病も賞応募も先が全く見えないところ

・我意外(われいがい)人みな幸せに見えて風呂の湯に顔つけて叫べり

・この病二十歳に満たず生ずれば埋み火のごと我生きて来し

・神様はお願いきいてくれないな普通に生きたいただそれだけを

・私だけ合格祈願日知らされず連絡係は自転車屋のおばさん

・浮かれきて眠れずにいる夏の夜は祭囃子が耳底に棲む

・夏に冷房ケチったら水飲み過ぎてお腹冷え冷え案の定かな

     白萩

風音に怯えし吾子は我が胸に入りて眠れり台風の夜

涼風を部屋いっぱいに招き入れ心地良く寝る秋の贅沢

容赦なき陽射しなれども風涼し 栗の実並ぶ季節来にけり

くれなゐの強さも黄色の艶もなく寂しげな花よ白彼岸花

好物を供え続けて三十余年 亡き娘の子は父になりたり

     おてもやん

〇Go To(ごぅつぅ)で温泉宿へ家族旅湯あがり部屋着で好きに寛ぐ

     黒猫アビ

 ・仲の良い息子夫婦の旅先に
  撮りし写真が家族に届く

 ・孫娘 鍵を忘れて我が家くる
  背丈のびてもまだまだ子ども

     かりそめ

*隅田川水がすなはち命とて怖くはないかかくまで抱へ

*大川の遊覧船のはかなさは笹舟のやう人らを乗せて

*花のあと並びて影を見下ろせしスカイツリーはあなたの墓標

*押すひとも押さるるひとも歌ひつつ車椅子行く長堤の秋

*枯れすすき風来るたびに歌ひをりしなやかなりしころの輝き

*門柱に木の葉溜まれる朝(あした)には足りない愛を飯にて補ふ

*地下鉄とホームの扉ひらく誤差そのわづかさに募る苛立ち

*地下街のなべての店の鎖しをり月のかはりに剝き出しの梁

*啄木の間借りせし家いまもなほ地道に床屋営みてをり

     honyanko

⋆ コンクリの床に転がる蝉見つけ指にとまらせ空へと放つ

⋆ 洗濯を干す手を止めて見上げれば秋の初めの行合の空

⋆ おだやかと人に言われる我なれど心の中にナイフを隠す

     ギボウシ

・あさがおの双葉三寸 水やりを止めて彼岸の雨に委ねる

     おおやま よしの

山椒を ついばむ鳩は 辛党か
我と一献 酌み交わさんか

金木犀 やっと香るは 去年より
十日も遅い 日曜の朝

猫が来て 脚の間に 潜り込む
秋来たれりと 告げるセンサー

早咲きの サザンカの紅 淡く立つ
未だ緑濃き 木々の間に間に

たばかるを 重ねればそれ よき心
蝕む悪と なるを知らずや

     わすれんぼ

目覚めても新しき日の始まりを
老いか病いかいざと思えず

昨日より今日はいつしか始まりて
いつの間にやら過ぎてしまいぬ

暑き夏の終わりを告げる阿波踊り
熱気あふれて街むせ返る

金の魚群れ飛び跳ねる夜の海
暗き波間にきらりきらりと

ゆく先の見えぬ怖さのひしひしと押し寄せる波ただながめつつ

     ゴネコ

直立のままで小言をくらう君聞いていられず席を離れる

授業ではいつものように笑う君辛くはないの?大丈夫なの?

ああ、あいつ、発達障害なんですよ、胸にくさびを打たれし昼間

障害があってもなくても生徒には心があるでしょプライドも

私には普通の生徒だ君もまたみんなと何にも変わらないんだ

先生!と大きな声で呼ぶ君にクラスのみんなも笑顔になるよね

君は君そのままでいいそのままで素直で元気なそのままの君で

     玉兎と茜馬

土瓶蒸し
鱧と松茸
小さくて
箸で三葉を
かき分けて探す

     パール

☆秋晴れの空大きくてちっぽけな自分を感じ足元揺らぐ

☆長月にページめくりて旅に出る何処に行かずも心は自由

☆初めてのように掛けて来る電話三度目だとは言えぬ義母(はは)には

虚し過ぎて 終われよれーわ と声萎む
    一日も早く終われよれーわ 



     





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今も夢見る
Posted by今も夢見る

Comments 12

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まめはな

KUONさま

お忙しく、また本調子でない中、お直ししていただきありがとうございました。
来月もよろしくお願いいたします。

2020/10/09 (Fri) 14:08

天上の青 ラピスラズリ

再びの質問を

Kuonさま
九月のうたは一度浮かんだものがどうしても思い出せず欠席させて頂いたのにコメントだけの投稿をお許し下さい。

八月のおべんきょうⅤ追記在り、へのコメント欄にも書いたのですが、皆さんのうたへのコメントの中で、どう探しても私のうたへのコメントがありませんでしたので、もし何かの手違いであればと改めてお願いを致しました次第です。

以前もそういうことがあり、一度は確かに投稿したはずなのにうたが消えていて原因が不明とのご説明でしたので、もしかしたら今回も私の質問かkuonさんには届いてなかったのかもしれないので、しつこいようですが再度お尋ね致しました。

もちろんうたに関しては生粋の素人ですから論評に値せずのレベルなのかもしれないとは自覚していますが、それでも投稿の前は何度も推敲して何とかうたになったものを提出した後はkuonさんの感想だけでもお聞かせ頂けたらと自分の番が来るのをワクワクしながら心待ちにしてきたのです。
言葉の世界は深淵で私なりの拘りもありうたに生かす魅力も感じつつあるところでした。

原因はいくら考えても分かりませんが、もし今確かにこのコメントがお目に届きましたら、遡って頂くのは恐縮ですが、一言だけでも頂けたらと思います。

事情で暫くうたへの参加は見合わさせて頂くと思いますので一方的な後味の悪さを残したくなくて失礼を省みずコメントをさせて頂きました。

季節柄どうぞご自愛下さいますように。

2020/10/09 (Fri) 16:26

かりそめ

KUONさま
お直しありがとうございます。
「人ら」ねえ、うーんと唸りました。

また、丸文字の短歌についてですが、KUONさんの思い浮かべていらっしゃるだろう方は(間違ってたらごめんなさい)、たしかに才能はたっぷりおありになるのでしょうが、「ニホンシネ」を流行語大賞に選んだときにはびっくりしました。
「そんなうすっぺらい言葉選んじゃっていいの?」でした。
KUONさんの言葉のセンスのほうが千倍好きです(あったりまえ、ってお怒りにならないでくださいね)。
余計なことを失礼しました。

2020/10/09 (Fri) 19:04

かりそめ

再度失礼します。
流行語を漢字で入力したら、「不正なコメントと判断されました」と出てはねられました。
思いついてカタカナで入力したら受け付けてもらえました。
ちょっと驚いたので。

2020/10/09 (Fri) 19:10
今も夢見る

KUON

ラピスラズリさん

言い訳のようなことを書くのは好きでないですが。現実にうたが消えたということがあって。現実に、アタマも指先もいい状態でなかった私が、どこか何かを押して、消してしまったということが、あったとしか考えられず。それは、本当に、お詫び申し上げます。そういうことがあったのです、自分のミスを体調のせいにはしたくないが・・でもそうだったのでした。他の方にも、我慢していただいたり、あれこれあった、情けないですが、認めざるを得ない、それを、コメントでいただくまでそのままにしていたのも、つまり、私なのでした。お詫びします、ごめんなさいね。。辛くて、もどかしくて、悲しかったのではないか、と。オーb-ではないです。

「もちろんうたに関しては生粋の素人ですから論評に値せずのレベルなのかもしれないとは自覚していますが、それでも投稿の前は何度も推敲して何とかうたになったものを提出した後はkuonさんの感想だけでもお聞かせ頂けたらと自分の番が来るのをワクワクしながら心待ちにしてきたのです。
言葉の世界は深淵で私なりの拘りもありうたに生かす魅力も感じつつあるところでした。」


ラピスラズリさんが真摯にに一途に生真面目に短歌に取り組んでおられるのは、よく解る。こういっておけばいいだろう、という世界と無縁のお方です。なので、まどわれたのも、拝察できます。しかし私も、どなたの作品に対しても、いいかげんな気持ちで向き合ってはおりません。これだけは書いておきたいと・・・とか言って、決定的なミスを犯しているんじゃ、何も言えないなあ。ただ、どなたかのうたを「論評に値せず」みたいに切り捨てるほど、恥知らずではないです、わたし。もう少しくらいは、うたに対して、アタマ低いですよ(自分で言ってもダメですかね)。

うたへの参加を見合わせられると。それは、もちろん、ご自分のお気持の向くようになされればよろしいかと。そうさせるきっかけになった自分としては、無理にとは申せませんが。こちらからもっと早くに申出るべきだったかもしれません、言って下さったことに感謝します。ありがとう。そして、ごめんなさいでしたね。


2020/10/09 (Fri) 19:35

天上の青 ラピスラズリ

少しだけ自分語りをお許し下さい

kuonさま
ご丁寧な返信有難うございました。
投稿したはずのうたが消えたのはkuonさんのうたも同時に消えていたとのことで何らかの機械トラブルのせいで起こったことだと理解しております。

私が申し上げたかったのは、うたへのコメントが私一人だけ頂けなかったのはどうしてなのかと胸の中に澱んでいたことなのです。

私の思いは伝わっているように思いますが、やはりその事へのお答えがないのは何か私の思い及ばない理由があったのでしょうか?
でももうそれをお聞きすることは致しません。
時として真実は言わないことの中にこそありますから。
言わない自由もまた誰にもあります。
それでいいのだと思いました。

なお暫く参加出来ないのは健康上の理由なのであえてハッキリとは書かなかったのでした。

子供の頃から殆ど人にほめられなかった私に唯一、文才があると言ってくれた小学校の先生がいたのです。
作文が好きになった以上の文才はありませんでしたが、この言葉は今でも宝物です。

ついでにもうひとつ忘れられない言葉の思い出を書かせて頂けますか?
私は外国人ビジネスマンに日本語を教える仕事をしてきたのですが、少し打ち解けて来たときにアメリカ人の生徒に、私はずっと日本人の間では変人、変わり者って言われてるんですよ、と言ったときに、真面目な顔付きになり、先生は変わっているんじゃない、特別なんですよ、と言ってくれたんです。
なるほどそういう見方もあるのかと目から鱗で、その言葉は一生の宝物になりました。
ほめられたことが殆どないだけに強く印象に残ったのだと思います。
この生徒は帰国まで週三回五年日本語の勉強を続けてくれて、私も親しみを込めて、唯一生徒の中で時にはジョン吉とニックネームで呼ぶようになった忘れ難き人です。

最後のクラスで日本には、会うは別れの始め、という諺があると言ったら、英語でも
All good thing must come
to an end.
どんないいことでも必ず終わりはある、という意味だと教えてくれました。
胸に沁みる言葉でした。

体調が回復しましたら、もしかしたらまたまた復活させて頂くかもしれませんが、その時にはまたどうぞ宜しくお願い致します。

お体お厭いください。
長い文になってすみませんでした。

2020/10/10 (Sat) 17:34
今も夢見る

KUON

天上の青 ラピスラズリさん

ご丁寧にありがとうございます。あなた様のお気持は、よおく分るところと、わからないところがあります。このたびのコメントの始め10行ほどは、何と申しますか。

「何か私の思い及ばない理由があったのでしょうか?」

いいえ、ありません。私は、ひと様の作品を消してしまって、どうすればいいか分からなくて、なにより、消えた作品に対してもの申すことは不可能だった。そういうことですか。まったく平気ではなかったでした。平気なわけが無いです、ただ、私にも私の思いがあります。

三人の(デク)人形のおうた。あれには私は、どう言うこともできなかった。作品にはまっすぐ向き合う気持ちはあります、あるが、イヤでたまらんものもある。そういう時は、なるべく上手にスルー。それしか無い、私には。恥ずかしく醜いでしょう、あの一家(!)自覚なくさらされているのは。

うたを読む時は、できるだけうたそのものに向かいたい。書いていると長くなります。できれば私も、ぼやッとした頭も痺れていうこと聞かん指も、自分のために使いたい希望はあります。いやみですね。でも本当。みんな、疲れたりへたれたりしながら、懸命におられると思う。

本当に思っていること、お体、大切になさって下さい。不調から抜け出して下さい。私も励みます。また来られるなら、今まで通り、私流に迎えさせていただくと思う。ラピスラズリさん、不器用でマジメで。雑草の私とは育ち方が違う。人はあなたを簡単には褒められないし、まず、ご自身が、気付かれないのではないか。いとこいっぱいありますやん。



2020/10/10 (Sat) 19:43

天上の青 ラピスラズリ

秋は夕暮れ

kuonさま
お心のこもったコメントを有難うございました。
不器用で真面目、まさに私です。
うたとコメントだけの決して長くもない交流なのにその人を見通す力はさすがだと感服致しました。

欠点の多い性格ではありますが、私はこれからも自分の最後の味方でいようと思います。

日本語は本当に味わい深い言語です。日本の四季も。
これからも言葉の魅力を発見していこうと思っています。

痛みや痺れはお辛いと思いますが、きっと多彩なうたの世界が癒してくれると祈っております。お大事に。



2020/10/11 (Sun) 03:18
今も夢見る

KUON

かりそめ さん

お返事が遅くなりました。

ははあ。(笑)。あの「機知と才気とに満ち溢れ」た才女さん。わたしあの方だめです。きっと見抜かれていると思う・・・別に、いいんですけどね。ただ、優等生でお家も無問題、かしこくて生徒にも好かれて、というヒトが、ぺろっとお目目丸くしたまま、ケロッと一人で親になってしまう、そのお子を詠んで・・・どこまででも歩いて行けそうな靴、が、いるけどいないパパから届いた、と詠む、歌集にも普通にのせる、その神経が、私には受け入れがたい、そんな狭量さからのことですが。彼女の勝手ですよね、どう生きようが。そうなんですけどね。(笑)。うたは、時々すっごくいいので、腹が立つ。あ~イヤだわ私。

それから。不正な投稿、ではねられる件。これいっぱいあります。いっぱ~いある。
仮名に直したり漢字を変えて見たり、私は昔、よく、どうしてもその文字で、という時、半角分、間を空けて通してしまったり。いまだによくわからないんです、ただ、今の世は、指さされることの少ないように、何やかや、してるのですかね。

2020/10/12 (Mon) 20:44

アルジェリマン

不正な投稿、ってやつ

9月の歌、まとめてくださってありがとうございました。
そのまとめてもらたのを、自分のパソに移して、私の歌集にしてます。

不正な投稿、と、私もはねられたこと、あります。
あの文字が嫌いみたいですね、ネットの世界の管理する人たち。
去年か一昨年の夏、その文字を使って歌を作ったら、ダメ、と。
で、いろいろ工夫してもダメで、別の言葉にして歌を作りました。
結局、その歌のその部分が、「なんかいいな、」とKUONさんに言ってもらって、
ぶひひひ、と喜んじゃった私。
こういうの、災い転じて福となす、なのかしらと。ちょっと違う?

歌ひとつひとつにコメントがなくても無視されたなどと思わないし、
何も言わないけれど読んでいる人は確かにいるのだと先月強く実感しました。
さざなみのように、蝶の羽ばたきのように、どこかになにかしら起きるのだと。
ちょっと怖いと思いつつ、言葉選びは難しくて楽しいです。

2020/10/13 (Tue) 18:38

かりそめ

KUONさま
アルジェルマンさま

コメントありがとうございます。
今初めて読みました。なんでもすぐ忘れるようになってしまって、、、自分のコメントも忘れていました。タイジョウブかいな?


不正なコメント・・・
初めてはねられたので、びっくり仰天したなんて臆病をさらしてしまいました。
けっこうビクビクしたのです。
でも、新鮮な経験でした。もう怖くないので、アルジェルマンさんのブヒヒの、二匹めの泥鰌を狙えるかも。

2020/10/15 (Thu) 22:02

かりそめ

KUONさま
アルジェルマンさま

コメントありがとうございます。
今初めて読みました。なんでもすぐ忘れるようになってしまって、、、自分のコメントも忘れていました。タイジョウブかいな?


不正なコメント・・・
初めてはねられたので、びっくり仰天したなんて臆病をさらしてしまいました。
けっこうビクビクしたのです。
でも、新鮮な経験でした。もう怖くないので、アルジェルマンさんのブヒヒの、二匹めの泥鰌を狙えるかも。

さっきの投稿、失敗したかもしれませんので、再度送信します。ダブッたらごめんなさい。

2020/10/15 (Thu) 22:05

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