10月のべんきょう Ⅰ
2020年10月20日 公開
10月も、みなさま、ありがとうございました。
ゆっくりと読ませていただいてます。ずいぶん寒くなってきましたが、ぬくいです私、お腹もココロも。
KUON
・秋の陽をおなかに貯めてさくらねこ駐輪場に大の字にをる
(このおでぶの地域猫の、のんびりした幸せそうな姿を、見るのが楽しみで。うた、おなかに「貯めて」は「溜めて」の文字がふさわしいでしょう。後で気づきました。
かりそめ
*人体に関節いくつそなはるや秋の雨だれ絶え間なくつづく
(初めて読んだ時、あら、膝か足首か、どこか痛いところがおありかしら、と。身もフタもない感想を抱いてしまいまして。ごめんなさい、でしたね。絶え間ない秋の雨だれのなかにいて、気持ちが、ふっと浮遊されたのかな。こういうことは、感じることがすべてで。
*雨のなか烏が六羽飛んでゆく常より低く鳴きかはしつつ
(ここは「六羽」であることは、作者にはたいせつ?なこと、読者にはいまひとつ・・な気がしました。丁寧、丹念、なことは、大切なことではあります。
*百円のビニール傘を雨滑るその素早さに見蕩れてをりぬ
まめはな
・神様のしつけた糸をほどくように月下美人は開いていけり
(小さなことですが、この「いけり」は「ゆけり」とされてはいかがかと。
・太陽に焼かれし腕(かいな)差し伸べて夕(ゆうべ)の海はわたしを抱く
(前月の話を蒸し返すようですが、こーゆー時に、しゃらっと、夕べの「海」でなく「君」とか、書いてしまわれればいいのです。その方がわかりやすい。
・銀色のバケツに魚詰め込んでペンギン舎まで飼育員歩む
(この通りなのでしょうが、バケツに「詰め込まれて」の魚が、哀れ。この通りだとは思いますけれど。飼育員の「かわいい」は、つまりペンギンなのですものね。そういう風に考えれば、この「詰め込んで」は、とても生きますね。考えすぎか・・・。
・清潔な檻に心を捕らわれてそれからずっと手を洗いおり
・ひんやりと風に包まれ秋の夜は掌(てのひら)で腹温(ぬく)めて眠る
今夜はここまでとさせていただきます。また明日。
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