FC2ブログ

廃ビルのダンス・ショー


神戸・三宮の駅からタクシーで1000円以内。お釣りの硬貨が何個も還る。フラワーロードに沿ってまっすぐ、歩いても行ける、ぜんぜん大変じゃない、が、私はタクシーに乗る。そんなに近いところなのに、何度も、簡単に行けなかった。きちんと住所が言えないと簡単には行けない。そこへ向かうのはいつも夜で、ネオンは周囲でめっちゃ輝いてる。行く先は、もう何十年も立ち続けている「〇公団ビル」、周囲には信金やら食べ物屋やらいっぱいある、その中の、古ぼけた階段を下りて行かねばならない。二階や三階の上の階は、よく見れば真っ暗だ。初めは、そことわからず、雨の中、入り口と思しきあたりで、ぼーっと立ち尽くして、私を探し出してくれる誰かを待ったこともあった。階段を降りて行けばいいのだった、降りて行かなければ、めったに人にあえない、、降りて行くべきは地下の一階、ぼんやりとした灯りはついているが、閉ざされたままのドアは開かない、もう営業していないのだ、店であった名残の残る何軒かの扉には、マスク忘れるなとか、靴の底はしっかりマットにこすりつけて入れとか。貼り紙がそのままに残されている。ほんの数か月前までの界隈のありようが偲ばれる、三宮の駅から歩いて来られる、よく流行っていた店たちの、残骸が、そのままに遺されている。ちょっとの間、休むつもりで店を離れた主たちもいたのだろう。そうでない人たちも、もちろん。

そこは、スポーツ・バーであったのだった。ネットでは今も、かつてのそこの在りようが偲ばれる。沢山の椅子が並べられ、卓の上にはにぎやかに飲み物のいろんなグラス、カラフルな酒瓶。ピザの皿やろうそくや、そして天上のミラーボール、たとえば昨年のラグビーの試合中の熱狂や嬌声や汗の匂い、拍手、大きなため息や歓喜の声が。普通に偲ばれる、が、今は。

娘や娘の姉や孫息子は、月に一度、そこで、自分たちのショーを続けている。

小さなショーである。自分たちのしたいことをするための、小さなショー・タイム。姉娘は自分のスタジオでは、主である自分をそのように位置付けて、励んでいる。今のような世の中、続けてレッスンに来て下さる方は、本気の方々。本気には、本気で。二番目の娘も、もちろんそうであるけれど、姉とは異なる道を来て、自分のこれからを、身震いするほど全力で考えあぐねているようだ。仲のいい時ばかりではなかったが、いま、力を寄せあうことの、メリット、良さを、互いに感じ合っているような気がする。好きなようにすればいい。でも、二人一緒に何かする時は、それは、見ていて楽しい時でもある。親であるから。私は。

孫息子は、まあ、ラッキーだと思う。今年高校を出て、仕事をしながら、こんな風にいっちょまえに、うたを発する場を授かって、ラッキーだなあ、彼は。

一人暮らして、友も無く、工場の仕事をしながら、まあ、頑張っていると思う。今のままでいいとか、今のままでいるとか、誰も考えてはいない、なるようになって行くのだ、それはそう思う。いつだって何だってそうだ。計算しないできないところで、ものごとは進んで行く、結果を予想はしない。できないし。普通に考えれば、いかに古くてもぼろくても、この場所のここに、自分たちの手の届く物件を使わせてもらえる、ということは、考えられないことに違いない。が、娘たちは、なんだかそういうことになってきたのだった。私も、言ってみればそんなことはたくさんあった。

やー、よかったな、嬉しいな、ありがてえなあ。そんな感じで来た気がする。

いつまで続くかわからない。ある日、もう終わりです、となるかどうか。そうなれば、また、その時には、次の、違う道が開ける。そんな風に思っている。

   (今月のショーは済んでしまいましたが、毎月はじめの金曜日の夜に、ショーを行っています。夜ですし、室内はあえて暗いですし、コワいと思われるかもしれませんが、怖くは無いです。大丈夫です。
来月、もしもお知らせした方がいいなら、書かせていただきます。三宮の駅からの来方と、住所やTELとか、お教えします。およそ二時間ほどです。必要なお金は、入る時にドリンク二杯分の料金・3000円払ってもらう、それだけです。バー・カウンターもあり、他のドリンクもあるようです、それは、そのたびに、お支払い下さい。基本は、初めの3000円のみです。下戸のワタシは、いつも、常に、うーろん茶ばかりです。コーラなどもあるようです、お値段は一緒。お金は、店主さんにお払いします。
ショーは本物です。


廃ビルのダンス・ショーも、興深いものですよ。廃ビルについては、まだ書きたい気もします。

スポンサーサイト



今も夢見る
Posted by今も夢見る

Comments 0

There are no comments yet.

[Bron-Broen] designed by Akira.

Copyright © KUONのブログへようこそⅡ All Rights Reserved.