霜月のおべんきょう Ⅰ
2020年11月20日 公開
おはようございます。言い訳は後に、今月の、おうたの鑑賞に入ります。
入るのがいちにち遅れたので、言い訳が必要なのでございます。実は・・と、それは、後で、ですってば。

・・・失礼いたしました。実は昨日、夕食後から今朝の朝食時まで、ほぼ12時間、眠りの中にひたっていて・・・すみませんでした。
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アルジェリマン
今月もよろしくお願いします。
切り詰めたハイビスカスにまたつぼみ四十雀鳴き窓越しに聞く
(ハイビスカスって、そんな強い(?)花なのですね。
「四十雀鳴き」、とあるここは、ふつう「鳴くを」と詠みそうな。「鳴き」とされているので、視点が一歩、二歩引いて、花の蕾や鳥の声が、客観的な印象になっております。日本語の一文字とは、不思議なものです。
午後の陽を浴びて黒犬すやすやと蝶の飛ぶ影映る庭先
(飼い主さんの全き庇護のもと、つやっつやの黒犬クンは、すやすやと安眠のなか。いいお天気で。今年は無茶苦茶な年だったように思いますが、こんな静かな晩秋を迎えることができた。
樫の木を確かめるごと寄り集うアシナガバチの翅(はね)透けて見ゆ
秋の蜂明日の冷え込み知らぬげに午後の陽浴びて生きているなり
(アシナガバチは怖いけど。確かにコワい。でも今は、明日の冷え込みも知らず。午後の明るい陽光を甘受して、生きている。生きている。
黒塀に赤い実映えて艶姿うろこ雲満ち明日は雨なり
(何か(「粋」「を連想。平凡でしょうが。
うろこ雲寄せて固まり秋空を覆いつくして夜は始まる
(ラストの「夜は始まる」の納め方がいいと思います。
夕暮れにバイオリンの音洩れ聞こゆ飛ぶか飛ばぬか屋根の烏は
枯れ田よりひょいと飛び出す小さき猫見合う一瞬黒犬の負け
((笑)。黒犬クンは「お坊ちゃま」だからなのか。「優しい」からですよね、飼い主さん。デリケイト、なの。
藁の散る稲の切り株続く田にあの稲小積みあればいいのに
【肥前佐賀、幼き日の思い出】
稲小積み並ぶ田んぼにカチガラス長崎行きの汽車が近づく
(田んぼに、カラスに、汽車。これだけの材料を拝して、情景が、しかと見えます。
稲小積みもたれてよける北風にかざしてかじるパラソルチョコを
(パラソルチョコとは懐かしい。北風、ですから、チョコも齧られるくらい、冷えて固まっているのですね。
白萩
霜月のうた
夜四つにステーキを焼くにおいせり 階下の住人いかなる人か
(読んで、改めて「夜四つ}を調べてみました。」晩ご飯の時間、ではないですよね。ステーキのにおい、ですしね。「いかなる人か」と、つい、思って‥想ってしまいます、私も思った。匂いはよく「上がる」のですよね。
今の時間ですと、夜四つは午後十時。すでにお腹、すいております、罪な匂いです(でしょう?)。
芸をする眼を赤くした海獣ら 飼われるというかなしみ見たり
(センチになっては ムムム。こういうの弱いです、自分は喜んでパチパチ、しながらね。
山奥へ分け入るほどに紅葉(もみじ)する霜月はじめドライブの道
「お母さん似ね」と言われて子を見れば鏡で見るよな表情(かお)をしており
(白萩さんの「お子うた」は、愛情たっぷりでいつつ、溺れるような自愛、感傷の匂いが遠いところと読ませてもらっています。ものすごく愛情たっぷりなのに、きちんと冷静な目があり、溺れておられない。
この秋は帽子でおしゃれさせようか 今日は林檎の帽子でキメよう
(母はスタイリスト)
(いいですね~~。スタイリストさんのお子さん、めっちゃお洒落で楽しんで下さあい。
モタモタと笏を収める旦那ハン 頭フリフリもの言う嫁ハン
(れーわ天丼夫婦)

(いやもう これは 眞實 事実 以下どうしよう。
秋うらら 御声の深き響きありて日嗣の皇子は立ちたまひけり
(皇太弟殿下)
宝冠の金剛石にもいやまして耀ふあてなる人の御姿
(皇太弟妃殿下)
君が父になりはじめての誕生日 ベビーカー押しケーキ買いに行く
(夫の誕生日に)
(そのお子の「父」の誕生した日で。おとうたま、おめでとう。ぼくたち家族だよね、ずうっと家族なんだよね。
訪れしはじめは涼しき秋なれど別れのいまはかくも温けり
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