神無月のおべんきょう、3
この色が詠草。詠み人さんのメッセージや詞書です。おうたの主のお名前です。KUONが書いている部分です。
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温泉郷
祝宴の受付に待つぬいぐるみ紋付き袴と白無垢まとい
ぬいぐるみの新郎新婦さん。受付に「待つ」に臨場感があります。いまどきはこういうのがあるのですね。
肉球の家紋を胸にスヌーピー白い草履ですっくと立てり
で、家紋は肉球であると。すっくと「立って」宴客を「待つ」。しゃっきりしたスヌーさん、立派です。
台風の速度を上げて通りゆく週末のたびはらはら暮らす
屋根おおうブルーシートの増えるなり台風過ぎて日が経つにつれ
まこと、週末ごとに、猛烈な風雨の台風に襲われた列島でした。今までにない頻度で「天人相関」の言葉を、口にしてしまったKUONでした。押しつけになりませんように、と願いながら。
かりそめ
*秋の日は湖(うみ)の水面に戯れて人形館はちんまりありぬ
秋の日の戯れる湖面から、ちんまりとある人形館に視線を動かされて。いっときビスクドールの世界に執した身は、人形館ってどんな?と、ドキドキと想いました。
*倒木の湖水の底に静もれり佳き枝ぶりは地にありしまま
「佳き枝ぶりは地にありしまま」背中、ぞくりとします。
*開けはなつ宿の窓よりこぼれ出づ掃除機の音おしやべりの声
よく見える、聞こえる、リアルですね。としか、言えなくて、恥ずかし。
パール
⭐煌めきは人には永遠(とわ)に思えても
輝星もいつか終わる日が来る
永遠。とわ。久遠。くおん。好きな言葉です。星もいつか、終わる日が来るって。しみじみデッカイです。
⭐耳順(じじゅん)近くもうとまだとが鬩ぎ合う
この先の時間(とき)如何に生きると
「耳順」の言葉に誘われて、つい、「如何に生くやと」とか、頭に浮かべてしまいました。
最近思いついたのですが、笑って下さい、70歳になったら「ひとり唄いまくるショー」やりたい、と。小さな小さな小屋でね。いいでしょう、わははは。
⭐痛みなくシーツも乾き本を読む
肉じゃがは美味今日は花マル
わあい、花マルや~。「肉じゃが」がいいですね、ここで。
⭐上冬に心踊らせ降り立ちし
遠き佳き日のシャルル・ド・ゴール
「降り立ちし」で、ご本人のこととわかります、シャルル・ド・ゴールの名前自体が「詩」であることもわかる、ですが、私は「ド・ゴール空港」とされた方がいいのでは、と思います。
⭐事無きを願いて今日も流れるは
防災無線唱歌「ふるさと」
⭐まだ残るブルーシートの連なりに
雨粒おちて空を睨みぬ
「ブルーシートの連なり」これは、鮮やかな色彩が辛い光景です。事なき日々がどんなにありがたいか、年と共にしみじみ思う、願うこと・・。
★テロもあり天変地異は数知れず
八百万の神平成認めず
★これからも体調の波の不文律
こーごーだもの利用するわよ <次代のM>
わたくしは、あれを、こーごーなどとは思わず呼ばぬことを、ココロに誓っておりまする。私事ですみません。
ひらりんこ
わたしより 長生きしてねと頼んだら
きみの次の日 死ぬと言うひと
うっきゃー。やられたー。勝手にしやがれー。まあ、ぬけぬけと、素敵ですね。このぬけぬけ具合が、とっても素敵な一首になりました。もっとお書きよ。
たまき
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秋には秋の風景が
黄金の波と
父とコンバイン
「黄金の波と父とコンバイン」の置き順、最後の一字余ってる感じが、とてもいいなあと感じました。「父」を、愛しておられたんですね。
神さまが
時々くれるご褒美は
生きているから
糾える縄
具体的には書かれていないけど、よくわからないんだけど、なんだか、そうなんだろうな、そうなんですよね、という気分に、させてくれた一首。
わすれんぼ
体調の優れぬままに思い入る 人任せせぬ生きようの是非
今日もまた古家の故障直しけり 器用貧乏やすむ間もなく
世の変化あまりに速く激しくて ついてゆかむと思う気もせず
体調の優れぬ日々に、あれこれと思う。一首目、最期の「是非」に、作者の根っこの真面目が光ります。三首目「ついてゆかむ」は、本来は「ゆかん」の表記になるのですが、たまには目をつむって、実感溢れるこのままでよいではないか、と。そんな気分になります。
デュランタの柔らかき緑潮浴びて 無残に枯れぬ嵐の明日に
デュランタは、潮を浴びている間、どんなにイヤだったろう、くるしかっただろうと。ごめんね、でもね、と、言いたくなる。
秋の夜にすだく虫の音聞こえない 何やらさびしため息の出て
この一首は「すだく」の後に「はずの」の言葉がカクレンボしています。虫も、やられてしまったのでしょうか、と思わせます。
ただでさえ寂しき秋の夜更けには コオロギがただひとり鳴きおり
コオロギは、ただひとりで、鳴くのね。
群れ咲ける花にあこがれおりし日々 花殻始末思い及ばず
はい、そうです。
芋虫の草色のその美しさ 捕えむとしてまた戻したり
苗木より芋虫さんのお引越し 親木は葉っぱ山ほどにあり
芋虫。毛が無いから、美しいと見てもらえる。つかまえられてムギュ、とされず、戻してもらえる。
芋虫のお引越しは、人間さんのお手伝いを受けられたのかな。むぉりむぉり、食べて、大きくなって蝶になれるのかな。
遠吠えに犬の個性のにじみ出て それぞれの声愛らしきかな
犬たちは縁ありて家に来たものか 家族にどこか似ている不思議
そういう「不思議」もあるんだ。
ぼんぼんはまた読み違えセイゴ(背後)とな 学ばず知らず恥じず畏れず
後継が育たぬように雑魚集め あへ一強へ最強内閣
権力の操縦だけは超一流 世襲三世悪事を知悉す
4島が帰らぬ理由隠しおりファーストネーム呼んでごまかす
きっつぅ、ですわ。きっつくおられませ、この後も。失礼ながら爆笑もして読ませていただきました。
いつもびりけつになってしまいます。
どれを投稿しようか、ここはどうしようかと迷っていると
時間がかかり、まだ締切には間があるとまた後で考えようということになり、
時間切れ投稿…ということになります。
時間内ですから大丈夫、十分間に合っておられます。びりけつでけっこう、来月もどうぞ、お越しくださいね。。